アウディは11月26日、フォーミュラE世界選手権を戦うAudi e-tron FE07を公開した。スペインのバレンシアで開催される公式テストでサーキットデビューを果たす。
Audi e-tron FE07は、Audi Sportによって開発された、新しいAudi MGU05モータージェネレーターユニットを搭載する電動レーシングカー。0~100km/h加速はわずか2.8秒、マシン全体の効率は95%以上、あらゆる不測の事態に対応する。
2021年シーズンに初めて正式なFIAフォーミュラE世界選手権となる来シーズンの開幕戦は、1月中旬に南米のチリで開催される。アウディにとって、電気自動車によるレーシングシリーズは、世界最高峰のモータースポーツに参戦するというだけでなく、持続可能なデジタルプレミアムモビリティ企業への変革を目指しているアウディの取り組みをサポートするものでもある。
「モータースポーツは、アウディとその技術開発にとって、常に決定的に重要な意味を持っています。これは、アウディの有名なスローガンである“Vorsprung durch Technik”(技術による先進)を体現するものでもあります」と、チーム代表のアラン マクニッシュは述べている。
フォーミュラEの“シーズン7”では、もう一つの新しいテクノロジーが公開される。今回、ゼロから開発されたAudi MGU05と呼ばれる新しいパワートレインは、コンパクトなサイズと優れたパフォーマンスを特徴とする。内部ローターコンセプト、外部マグネット、非常に効率的な冷却システム、6相交流システムを備えている1速ドライブトレインで、さらに、軽量な素材とインテリジェントな車両構造を統合することで、以前のユニットと比較して明確な軽量化を実現した。新しいMGUインバーターユニットの重量は、わずか35kg未満となった。
フォーミュラEで結果を残すために効率は重要な要素だからこそ、アウディは、システムのエネルギー損失を最小限に抑えるために、あらゆる手段を講じているという。社内のテストベンチで行われた大規模な開発作業では、数多くの厳しいテストサイクルを実施。高電圧システム全体を最大のパフォーマンスレベルに引き上げるために、パワートレイン全体が徹底的に見直された。その結果、パワートレインの全体的な効率は95%以上に達し、新しいMGUインバーターユニットは、あらゆる走行条件で97%を超える効率を実現した。
デザインが一新された外観は、ルーカス ディ グラッシとレネ ラストが指揮をとる。デカラーリングのハイライトは、明るいオレンジ色と、テクノロジーパートナーのシェフラーによる印象的なグリーンで、フロントエンド全体には、ホワイトのプライマーコートが施されている。
また、今回新たに世界有数の潤滑油ブランドであるカストロールと、ファッションおよびライフスタイル企業のCasa Moda(カーサモーダ)の2社がパートナーに加わった。
Audi e-tron FE07は、11月28日からスペインのバレンシアで開催される公式テストで一般に初公開される。12チームすべてが12月1日までバレンシア・サーキットでテストを実施し、その後、マシンと装備一式が南米に向けて輸送される。