NEXT MOBILITY

MENU

2023年2月7日【テクノロジー】

独アウディ、ソフトウェア部門を強化

坂上 賢治

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 

アウディは自社のソフトウェア部門を強化する。具体的には自社ブランド独自のデジタル機能を自社開発しながら、将来的にはCARIADが開発したソフトウェアを、アウディのモデルラインナップに導入する予定だ。

 

そのためアウディブランドはIT分野で約400人を新規雇用。従業員の変革を次の段階に引き上げると共にソフトウェアの専門知識を強化し、未来に関連する分野の変革を推進している。また今後は更に2025年までに、合計最大2,000人の新規雇用を計画している。

 

同計画についてAUDI AG最高経営責任者(CEO)マルクス ドゥスマン氏は「アウディは、他の自動車メーカーに先駆けて、eモビリティとデジタル化に向けた明確な戦略を打ち出しました。

 

これにより、将来の重要な分野における雇用を強化することが可能になりました。IT分野では、フォルクスワーゲン グループ全体の力を結集しています。

 

アウディが提供するソフトウェアとクルマの世界を融合させる多面的な作業は、ITスペシャリストにとって非常にやりがいのある仕事です。自動運転からデジタルエコシステムまで、ソフトウェアの能力を高めることでイノベーションを路上で実現する事ができます。

 

 

現代のクルマは、あらゆる領域にソフトウェアが組み込まれています。その一例が、Audi Q4 e-tronおよびQ4 Sportback e-tronの拡張現実ヘッドアップディスプレイです。

 

このディスプレイは、ナビゲーションシステムのガイダンスなど、バーチャルコンテンツに加え、一部の動的コンテンツをフロントウインドウのドライバーの視野内に表示します。

 

このディスプレイは、特に視界が悪い状況で、走行快適性と安全性を高めます。ヘッドアップディスプレイは、革新的なソフトウェア開発によって実現しています。同じことは、アウディブランドの運転支援システムにも該当します。

 

更にeモビリティもソフトウェア開発者に新しい活動分野を切り開いています。例えば、電気自動車の音を作る事や、クルマの安全性、効率、走行特性、環境バランスに大きな影響を与える、電気駆動システム用のパワーエレクトロニクスの制御もソフトウェア開発者の仕事です。

 

同時に、アウディは未来のソフトウェア主導のコンセプトにも取り組んでいます。その一例として、Audi activesphere conceptでは、3Dコンテンツとインタラクティブな要素を視野内に同時に表示し、ドライバーと乗員を個別に構成可能な複合現実ヘッドセットを介して、現実世界の状況や道路を見ることができます。

 

なおAudi dimensionsと呼ばれるこの革新的なオペレーティングコンセプトでは、ITスペシャリストが現在取り組んでいる、未来のアプリケーションの姿を垣間見る事が出来ます」と話す。

 

 

一方、AUDI AG人事および組織担当取締役のハビエル ロス氏は「私たちの目標は、持続可能なプレミアムモビリティの先駆けとなる事です。

 

そのため、パイオニア精神を備え、新しい道を開拓する勇気を持ち、継続的なアウディブランドの成功に貢献する逸材を求めています。アウディでは、非常に魅力的なテクノロジー環境で、独立して多種多様な仕事に取り組む自由を楽しむ事が出来ます。

 

直近では、世界的な組織Top Employer Instituteが、AUDI AGをTop Employer Germany(ドイツにおける最高の雇用主)に3回連続で選出。アウディは、企業責任、ダイバーシティ&インクルージョン(多様性と一体性)、ウェルビーイングの分野で特に好成績を収めました。

 

より良い働き方を提唱するbetter normal(ベターノーマル)やアウディのhybrid working(ハイブリッドワーキング)雇用契約などのプロジェクトは、柔軟な働き方を推進しています。

 

同時に、専門能力開発プログラムと従業員ネットワークが会社の多様性を促し、ドイツの拠点だけでも100以上の国籍の従業員が働いています。

 

2029年まで雇用を保証する事により、アウディの全従業員は、未来の分野に関する新しいスキルの習得に安心して取り組み事が出来ます。アワードは、アウディをドイツで最も魅力的な雇用主に位置付けています。

 

新しい人材は、Audi Job Portalに加え、フォルクスワーゲンおよびCARIADの共同キャリアサイトの両方で募集しています。

 

すべてのグループブランドと同様に、フォルクスワーゲン乗用車部門は、CARIADが開発したエレクトロニクスアーキテクチャーを、主に量販市場向けのモデルに導入しています。

 

その一方で、アウディは、Audi activesphere conceptが他のイノベーションと共に示した新しい操作コンセプトに代表されるように、プレミアムなパーソナルモビリティに重点を置いています。

 

フォルクスワーゲン グループは、このような様々な開発の優先事項を考慮しながら、個々の機能とサービスをより迅速に市場に投入することを目指しています」と語っている。

CLOSE

坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。