旭化成は、スチレン系樹脂であるAS樹脂、ABS樹脂およびACS樹脂(製品名:スタイラック、エステロイ)事業からの撤退を決定した。
[背景]
同事業では、1962年の川崎工場(現 川崎製造所)でのAS樹脂工場稼働から、1964年のABS樹脂工場稼働(1978年に停止し、水島工場に統合)、1995年のACS樹脂事業の開始と併せて、これまで約58年間にわたって、製品を国内外へ提供してきた。
また、2015年には、国内市場の大幅な需要減などによる事業損益の悪化を受け、1967年に製造を開始した水島製造所のABS樹脂工場を閉鎖し、事業構造の改善を図ってきた。
しかし今回、旭化成は、グローバルABS市場で、同社製品の優位性発揮は困難と判断。また、将来的な拡大も難しいとの考えから、事業撤退を決定した。
旭化成は、経営資源の優先投入や再配分を進めることで事業ポートフォリオの転換を図る中期経営計画「Cs+ for Tomorrow 2021」に基づき、今後、同事業の経営資源を他の注力事業へと振り向けるとしている。
[今後の対応]
・工場について:2021年3月末に停止予定
・営業活動について:2021年3月末に終了予定
・同事業に携わる従業員について:原則として他事業への再配置を予定
[撤退事業の概要]
・対象製品:AS樹脂、ABS樹脂およびACS樹脂(製品名:スタイラック、エステロイ)
・製品用途:OA、家電、自動車および雑貨など
・製造拠点:川崎製造所内AS工場(神奈川県川崎市)
・生産能力:非公表