旭化成は、リチウムイオン二次電池(LIB)用セパレータ(※)「セルガード」および「ハイポア」に関する生産能力増強の決定を、1月11日に発表した。
※:LIBの正極・負極間に位置する多孔質膜で、正極・負極間でリチウムイオンを透過させる機能を有するとともに、正極と負極の接触を遮断し、ショートを防止する部材。
LIB市場は、電気自動車等の車載用途を中心に、急速に成長している。
同社グループは、LIB用セパレータとして「セルガード」と「ハイポア」を有し、乾式膜と湿式膜の双方を手がけている。
現在、乾式膜は米国ノースカロライナ州に、湿式膜は滋賀県守山市、宮崎県日向市および韓国に生産拠点を置き、積極的な事業拡大を図っていると云う。
今回、2020年までに約11億m2/年の供給体制を整備する2016年5月発表の計画に従い、設備増強を決定。
同社グループのLIB用セパレータの生産能力は、今回の増強により乾式膜が約4億m2/年、湿式膜が約7億m2/年、合計約11億m2/年となる。
[能力増強の概要]
設備投資額 約75億円(下記a),b)の合計)
a)乾式膜「セルガード」
立地:米国ノースカロライナ州(既存工場内)
生産品目:LIB用セパレータ「セルガード」
増強能力:約1億5,000万m2/年
稼働時期:2018年度下期商業運転開始予定
b)湿式膜「ハイポア」
立地:滋賀県守山市(守山製造所内)
生産品目:LIB用セパレータ「ハイポア」
増強能力:約9,000万m2/年
稼働時期:2020年度上期商業運転開始予定
旭化成は、今後も需要の伸びに合わせて積極的な能力増強を行い、顧客の要求に応えていきたいとしている。