旭化成の完全子会社で、繊維、化学品、建材分野での商品売買や製造・加工、各種サービス提供などを行う旭化成アドバンスは、11月14日、ベトナム・ハノイ近郊(フンエン省)に旭化成アドバンスベトナムを設立し、エアバッグ縫製加工事業を行うことを発表した。
旭化成グループは、エアバッグメーカーへの原糸販売や、機業場(はたおりば)に資本参加することで基布製織・販売を行ってきたが、今回、エアバッグ関連事業の拡大と収益性向上のため、エアバッグ縫製ビジネスへ新規参入する。
旭化成のナイロン66繊維「レオナ」の主力用途である自動車用エアバッグは、アジア地区での自動車生産台数の増加、自動車1台あたりの搭載部位の増加および各国での安全に対する要求の高まりにより、搭載量、搭載率ともに上昇、今後の成長も見込まれると云う。
また、近年の「CASE(※)」による車室空間の多様化により、エアバッグの設計・開発も多様化していくと予想。
このような背景から、旭化成アドバンスではモジュールメーカーおよび自動車メーカーとのコネクト強化を図るとともに、エアバッグ市場の変化に対応し、旭化成グループのエアバッグ関連事業を拡大することを目的に、旭化成アドバンスベトナムの設立決定に至ったとしている。
※)CASE:Connected(コネクティッド)、Autonomous(自動運転)、Shared/Service(シェア/サービス)、Electric(電動化)
[新会社の概要]
– 所在地:ベトナム社会主義共和国フンエン省
– 代表者:小原 和幸
– 株主:旭化成アドバンス株式会社 100%
– 営業開始日:2019年2月
– 生産品目:エアバッグ縫製加工品
– 生産能力:
・エアバッグ縫製加工品約500万個/年。
・第1期として2019年~2022年に設備を順次導入し、生産能力250万個/年の体制を整備。その後、数年内に第2期として500万個/年の体制へと拡大。
– 設備稼働予定:2020年3月量産開始予定
[旭化成グループのエアバッグ関連事業の商流]
・原糸:旭化成(株)が延岡にて生産し販売。
・基布:旭化成(株)が合弁資本参加、合弁相手が日本および中国・南通市にて生産し販売。
・縫製:旭化成アドバンスベトナムがベトナムにて生産・販売開始。