一方で、旭化成は予てよりスエード調人工皮革「ラムース」をSage社に販売しており、両社は従来より良好な関係を構築・維持してきた。
Sage社このような素材の調達を介して、自動車内装材に用いる各種繊維製品の開発・製造・販売を手掛けており、シートファブリック市場ではグローバルNo.1シェアを保持している。
つまり同社は内装材に関する総合提案力、高いデザイン力、加工技術等により、自動車メーカーおよび部品メーカーに対し高いプレゼンスを有している訳だ。
この動きや活動実績を見て来た旭化成は、自動車分野向け事業の拡大を加速させるためにSage社の事業を取り込むことを検討してきたのだが、昨年10月よりその協議が本格化。今回の買収合意に至った。
旭化成が想定している買収の狙いとしては、今後、大きく成長する自動車内装市場でのポジションを強化し、自動車分野向け事業の拡大実現を目指すことにある。
そんな今買収によって旭化成が求めている具体的な効果は以下の通りだ。
– 自動車メーカーおよび部品メーカーに対するアクセスを強化し、自動車市場の動向やニーズを迅速かつ的確に把握。
– Sage社の有するマーケティング力・デザイン力と、当社の有する繊維製品、樹脂製品、センサ等のさまざまな製品・技術を組み合わせて、車室空間に関する総合的なデザイン、ソリューションを提案・提供。
– Sage社の営業・製造・マーケティング拠点を、当社のグローバル展開にあたっての経営インフラ・リソースとして活用。