大同特殊鋼は、工具鋼製品の販売価格に、合金原料価格の市況変動に追随したサーチャージ制を、2019年1月納入分から適用する。
大同特殊鋼では、価格変動の影響を大きく受けるモリブデン、バナジウム、タングステン、コバルトの4合金原料の価格急騰に伴い、工具鋼製品のサーチャージ制を、2005年から限定的に導入した。
しかし、リーマンショック以降、2016年まで合金原料価格が安定し、9年間にわたり価格改定の機会が無く、結果として市場でサーチャージ制そのものが陳腐化。現在、同社が価格上昇分を負担する形に。また、今年はバナジウムの価格が急騰傾向にあり、今後の再生産が困難な状況にまできていると主張している。
大同特殊鋼では、このような取引形態を変革するため、2019年1月納入分から上記4合金原料に限定し、全ての顧客に対して新たなサーチャージ制の適用を開始。市場への浸透を図ることで、工具鋼流通各社も含め、安定した企業活動が継続できるよう、公平な取引形態を確立するとしている。
なお、4合金原料以外の鉄スクラップ、ニッケル、クロム等の主要原料ほか、電極や耐火物といった副資材価格の変動に関しては、今後も状況に応じて販売価格改定を実施するとのことだ。
[サーチャージ制適用の概要]
– 見直し対象:需要家および店売り、国内輸出向け全ての工具鋼製品。
– 実施時期:2019年1月納入分から。
– サーチャージ制:合金原料の価格変動に対するサーチャージ制。
・対象となる合金原料:モリブデン、バナジウム、タングステン、コバルト。
・算定方法:基準期間と比較期間の合金原料価格変化を販売価格へ反映。
<2019年1月~6月販売価格>
基準期間(2011年~2016年)と比較期間(2018年6月~11月)の合金原料価格変化差を販売価格へ反映。以降、6カ月毎に販売価格改定を行う。
[問い合わせ先]
大同特殊鋼株式会社 工具鋼事業部 泉、川田
電話:03-5495-1269