次世代型リチウムイオン電池「全樹脂電池」の開発を行うAPBは12月21日、三洋化成工業、新東工業および三菱UFJキャピタル7号投資事業有限責任組合を引受先とする第三者割当増資により、追加の資金調達を実施すると発表した。
APBは、全樹脂電池(All Polymer Battery)の製造及び販売を行うスタートアップ企業。全樹脂電池は、活物質に樹脂被覆を行い、樹脂集電体に塗布をすることで電極を形成している。このような独自の製造プロセスにより、従来のリチウムイオン電池よりも工程を短縮し、製造コスト・リードタイムの削減を実現するとともに、これまでにない高い異常時信頼性とエネルギー密度を実現している。部品点数が少なくて済むバイポーラ積層型で、樹脂で構成しているので、電極の厚膜化が容易に行え、セルの大型化が可能で形状自由度が高いことも特長だ。上記の特長を生かして、APBでは全樹脂電池を定置用蓄電池や各種モビリティ用途など、様々な用途に展開していくとしていくとのことだ。
今回の資金調達は、前回(2020年6月30日)および前々回(2020年3月4日)に発表した第三者割当増資と合わせると、累計調達金額で100億円に達する。また、前回、前々回と同様、今回の調達資金は現在福井県越前市にて立ち上げを行っている全樹脂電池の第一工場(APB福井センター武生工場)の設立・運営に充当することを主たる目的としており、全樹脂電池の量産技術の確立、製造販売に向けて事業をより一層加速していきたいとしている。