愛知製鋼は12月21日 、特殊鋼鋼材(構造用鋼、ばね鋼、軸受鋼)の販売価格を、来年1月契約分から改定し、トンあたり1万円値上げすると発表した。
同価格改定は、スクラップサーチャージ制を導入していない顧客全てが対象。値上げの理由については、特殊鋼鋼材の主原料となる鉄スクラップ価格の高騰が続いており、原料高や国内在庫の減少などを踏まえたもの。自社努力だけではこうした流れを吸収できないためとしている。
今秋から冬を迎えにつれ、鋼板類はメーカーの減産で国内在庫の削減が進んでおり、先の製鋼原料の鉄スクラップの海外需要の拡大に加え、生産コストが上昇している点も値上げに繫がっている。従って今後の鉄スクラップ価格およびその他諸資材費の動向次第では、更なる価格改定も起こりえるシナリオだ。
実際、愛知製鋼の製品需要は、コロナ禍で一時的に落ち込んだものの、足元は自動車向けを中心に建設機械・産業機械などで回復。タイトな生産状態が続いていると云う。
[価格改定について]
– 対象製品:特殊鋼鋼材(構造用鋼、ばね鋼、軸受鋼)
– 改定内容:トンあたり1万円の値上げ
– 実施時期:2021年1月契約分から