愛知製鋼は10月8日、山形県東置賜郡高畠町で10月11日から11月12日まで開催される自動運転サービスの長期実証実験に、「GMPS(磁気マーカシステム/※1)」を提供すると発表した。
なお、高畠町での自動運転サービスの実証実験は、国土交通省が内閣府SIPの枠組みの中で取り組む自動運転サービス実証実験の一環として実施される。
地方では、高齢化と過疎化により、鉄道・バス路線の縮小・廃止や、高齢者の交通事故の増加等、安全な移動手段の確保が課題となっている。その課題解決に向け、国交省では、内閣府SIPの枠組みの中で、高齢化が進行する中山間地域における人流・物流の確保のため、「道の駅等を拠点とした自動運転サービス実証実験」を実施している。
それら自動運転の実証事件に於いて、GMPSは、これまで高架下やトンネル、遮蔽物の多い空港制限区域等、GNSS(※2)やLiDAR(※3)等では電波が届きにくい場所で採用され、高い評価を得てきたほか、昨年には、磁気マーカが道路法上の道路附属物に位置づけられる等、社会実装に向けて大きく前進していると云う。
自動運転バス等の実証実験には広く採用の実績があるGMPS用センサモジュールではあるが、今回の山形県高畠町の実験では、更なる応用展開を見据え、その特長を活かして新たに貢献できる分野として、小型モビリティに挑戦。高齢者等の生活の足や、観光地での交通手段として、ヤマハ発動機が提供する7人乗り「GSM(グリーンスローモビリティ/※4)」に搭載される。
愛知製鋼は、今後もGMPSの早期社会実装実現に戦略的に取り組み、次世代公共交通システム確立に貢献していくとしている。
※1)GMPS(Global Magnetic Positioning System:超高感度磁気センサ):“MIセンサ”の性能を活かした、当社独自開発の自動運転支援システム。車両底部に取り付けた磁気センサモジュールが、走路に敷設した磁気マーカの微弱な磁力から自車位置を高精度に推定。
※2)GNSS(Global Navigation Satellite System:グローバル・ナビゲーション・サテライト・システム):GPSを含む、人工衛星で自分の位置を調べることができる仕組みの総称。
※3)LiDAR(light detection and ranging:光による検知・測距の頭文字):レーザー光を照射し、跳ね返ってくるまでの時間を計測し、物体までの距離や方向を測定する装置。
※4)GSM:ヤマハ発動機グループが企画製造販売する、20km/h未満で公道走行が可能な4人乗り以上の電動モビリティ。
[高畠町自動運転サービス実証実験の概要]
– 実施期間:2021年10月11日(月)~11月12日(金)
– 走行ルート:
①北ルート(公立高畠病院を起点/終点とする約 1.8km):公立高畠病院~町役場~スーパーマーケット。
②南ルート(公立高畠病院を起点/終点とする約 1.4km):公立高畠病院~薬局~スーパーマーケット。
– 磁気マーカの敷設概要:
・設置区間:北ルートの自動運転区間約1.1km、南ルートの自動運転区間約0.4km。
・仕様:直線部2m間隔、曲線部1m間隔で設置した道路埋設型の磁気マーカをGSM搭載の磁気センサモジュールが検知。
■(国交省 東北地方整備局)中山間地域における道の駅等を拠点とした自動運転サービス 高畠町自動運転サービスの長期実証実験を10月11日(月)から開始します(令和3年9月21日発表)(PDF):http://www.thr.mlit.go.jp/Bumon/kisya/kisyah/images/88484_1.pdf