愛知製鋼は7月6日、米国子会社のアイチフォージ ユーエスエイ(Aichi Forge USA/以下、AFU」)に於いて、鍛造部品であるコネクティングロッド(※1)の新生産ラインを竣工し、稼働を開始したと発表した。
愛知製鋼では、トヨタ自動車グループ唯一の北米鍛造拠点であるAFUでは、TNGA(※2)戦略に於ける北米での「地産地消」化を積極的に推進。
北米で、燃費改善につながるエンジンのダウンサイジング化や、ハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)が拡大し、高品質な鍛造コネクティングロッドの需要が高まる中、トヨタグループで培った高い鍛造技術と品質保証・安定供給体制の現地展開が不可欠として、今回、AFUの生産ラインを新設した。
新生産ラインに於いては、トヨタのグローバル標準ラインの更なる充実により、高強度・高精度な鍛造技術と品質保証体制を確立。また、国際情勢の変化による供給リスクにも柔軟な対応を可能とし、トヨタグループ全体の相互補完による安定供給体制を実現するとしている。
なお、生産されるコネクティングロッドは、トヨタの北米拠点(ケンタッキー、ウェストヴァージニア)に供給され、カムリ、ハイランダー、RAV4、レクサスESなどに搭載される予定。年間1,700万米ドル程度の売上(AFU売上高の約2割)を見込んでいると云う。
愛知製鋼は、今後も顧客の現地調達に確実に対応し、グローバルでの競争力向上および安定供給体制構築に貢献することで、多様な選択肢が提供できるトヨタグループの鍛造リーダーを目指すとしている。
※1:エンジンが起こす上下方向の力(運動エネルギー)を、クランクシャフトへ回転運動に変換して伝える部品。軽さと頑丈さが求められる。
※2:TNGA:Toyota New Global Architecture。企画・調達・生産までを一貫して連携する、グローバルなクルマづくりの構造改革。
[設備の概要]
– 設備名称:コネクティングロッド新生産ライン
– 設置場所:アイチフォージ ユーエスエイ株式会社 工場内
– 設備構成:高周波加熱炉、成形プレス、ショットピーニング機、磁気探傷装置等
– 生産能力:360万個/年(約2,500トン/年)
– 投資額:2,175万米ドル
<AFUの概要>(2022年3月末現在)
– 会社名:アイチフォージ ユーエスエイ株式会社
– 住所:アメリカ合衆国ケンタッキー州ジョージタウン市
– 売上高:1億米ドル/年
– 生産量:2万8千トン/年
– 従業員数:285名
– 生産品目:クランクシャフト、コネクティングロッド、ステアリングナックル、デファレンシャルリングギヤ他。
■Aichi Forge USA(英語):https://www.aichiforge.com/index.html