トヨタ自動車から発売される新型「センチュリー」
AGCは9月8日、同社調光ガラスの製品ブランドの〝Digital Curtain®(デジタル カーテン)〟がトヨタ自動車の「センチュリー」に採用されたと発表した。
このDigital Curtainは、透過光と視界を瞬時に制御できるため、後部座席に使用することで広く快適な車内空間の実現に貢献するという。なおAGCによると調光ガラスの車ドア部位への採用は世界初としている。
AGCでは、Digital Curtainについて、調光モード(不透明な状態)では日差しの暑さ・眩しさを和らげると共にプライバシーを確保し、透過モード(クリアな状態)では開放感を楽しむことができる製品と謳っている。
ちなみにAGCでは、これまでの調光ガラスはパノラマルーフなど開閉しない部位に採用されていた。しかし今回は長期間の風雨や太陽光に耐えられる化学耐久性に加え、開閉や昇降などの機械的耐久性も実現したことが特徴あるとした。
更に窓ガラス周辺の黒セラミックデザインを可能な限り細くすっきりと造ることで、センチュリーの意匠性に相応しいドアデザインとして評価され、世界初となる調光ガラスの後部ドア部位への採用に至ったと述べている。
この採用によりシェード自体の装着が不要となり、より広く、先進的で快適な後部座席空間が実現すると共にプライバシー性が向上したという。
■調光ガラス Digital Curtainの概要は以下の通り
<構造>
調光ガラスDigital Curtainは、2枚のガラスの間に特殊なフィルムを挟み込む合わせガラスの構造になっており、フィルム中には目に見えないほどの小さな特殊材料が封入されている。みのため調光モード、透過モードのどちらの場合もISO9050基準で、紫外線を約99%カットする。
<調光の仕組み>
2枚のガラスの間に挟み込んだ、フィルム中の特殊材料の分散と配向を電圧でコントロールすることで、調光モード・透過モードを瞬時に切り替えられる。
・調光モード(スイッチオフの不透明な状態)では、特殊材料がランダムに並んでいるため、外からの光が散乱し、 ガラスは不透明になり、眩しさ・暑さを低減し、プライバシーも確保する。
・透過モード(スイッチオンのクリアな状態)では、フィルム内に電圧を加え、特殊材料を同じ向きに整列させることでガラスは透明になり、外からの光が透過する。