AGCグループは、European Southern Observatory(ヨーロッパ南天天文台、ESO)と同天文台の建設する世界最大光学望遠鏡、欧州超大型望遠鏡の分割鏡コーティング設備の供給契約を締結した。
AGCグループのAGCガラス・ヨーロッパ社は、欧州超大型望遠鏡の分割鏡の製造に使用されるマグネトロン・スパッタリング・コーティング(※1)設備の供給契約をESOと締結した。
ヨーロッパ南天天文台(ESO)は、ヨーロッパの代表的な政府間天文学組織で、1962年に設立。ホスト国のチリを含め16ヵ国が参画し、約700人のスタッフが従事、天文学や天体物理学の研究者に最新鋭の研究施設を提供している。
建設される欧州超大型望遠鏡は、アタカマ砂漠(チリ)に設置され、798枚の分割鏡(※2)から構成される口径39mの巨大な分割主鏡で、宇宙からの光を集め、新たな銀河の発見や系外惑星の研究、遠い宇宙のその他の天体や現象の調査を可能にすると云う。
AGCガラス・ヨーロッパ社の提供する同設備は、分割鏡の銀層に2層のコーティングを行い、砂嵐などの厳しい気象から分割鏡の銀層を保護。
チリのパラナル天文台にある欧州超大型望遠鏡の技術施設で、マグネトロン・スパッタリング・コーティング設備の設計、製造、組立、委託業務を行うとのことだ。
※1:マグネトロン・スパッタリングは、プラズマにより金属などの素材の極めて薄い層をガラスなどの基材の上に施すためのコーティング技術。コーティングにより断熱、日照調整、反射などの機能を付加する。
※2:分割鏡の大きさは幅1.4 m、厚さ50 mm。
■ヨーロッパ南天天文台(ESO):http://www.eso.org/public/