AGCは、主に5G(*1)高速高周波向けプリント基板用材料として使用可能な、フッ素樹脂Fluon+(フルオンプラス) EA-2000専用の製造設備を導入し、生産能力を大幅に増強する。
2020年の5G本格実用化に向け、今後見込まれる需要の大幅増加に対応するため、供給体制を新たに千葉工場に構築し、2019年9月から稼働を開始する。
IoTの時代を迎え、2020年を目途に5Gの運用開始が見込まれる中、高周波帯を利用する5G向けプリント基板用材料のCCL(*2)には、伝送損失(*3)の低い材料が求められている。
AGCのフッ素樹脂Fluon+ EA-2000は、耐熱性、電気特性などフッ素樹脂の優れた特性を維持しつつ、接着性・分散性をプラス。同製品を用いたプリント基板では、既存材料に比べて伝送損失を30%以上低減するとのことだ(28GHz帯で比較)。
また、EA-2000の低伝損特性は、フレキシブルCCL、リジットCCL共に適用が可能なため、スマートフォンなどのモバイル機器をはじめ、基地局、サーバー、車載用など様々なプリント基板に展開可能。
AGCは、今後5G実用化に伴い需要の大幅な増加が見込まれることから、EA-2000の生産能力を大幅に増強するとしている。
なお、AGCグループは、長期経営戦略「2025年のありたい姿」で、モビリティ及びエレクトロニクス事業を戦略事業と位置付け、中でも5Gを大きな事業機会と捉えている。
*1: 5G: 第五世代移動通信システム。「高速大容量」「超高信頼性・低遅延」「超大量接続」が要求特性。
*2: CCL: 銅張積層板のこと。(Copper Clad Laminate)
*3: 伝送損失: 通信線路上を流れる電気信号の劣化度合いのこと。