AGCは、ミリ波(*1)向け超低伝送損失(*2)フレキシブルアンテナの設計技術を開発した。
今回開発したフレキシブルアンテナ設計技術と、耐熱性・耐水性・電気特性など、フッ素樹脂の特性を維持しつつ接着性をプラスした同社のフッ素樹脂Fluon+(フルオンプラス) EA-2000の組み合わせにより、ミリ波帯域に対応する超低伝送損失特性と、軽量・柔軟性を両立。
これにより伝送損失が低く、軽量かつ薄くて曲がるアンテナを実現。車等のモビリティに加え、電子機器・産業機器等様々なモノにミリ波向けアンテナが設置できるようになると云う。
AGCグループでは、長期経営戦略「2025年のありたい姿」において、モビリティおよびエレクトロニクス事業を戦略事業と位置付け、なかでも次世代高速通信の実用化を大きな事業機会と捉えている。
これまでコネクテッドカー向けオンガラスアンテナや合成石英ガラスアンテナ、既存窓を基地局化できるガラスアンテナを開発。また、プリント基板用材料フッ素樹脂の生産増強や、米国企業のプリント基板材料リジッドCCL(*3)事業部門買収などを実施。
今回新たに開発したフレキシブルアンテナ設計技術により、IoT分野における実用化の探索、マーケティングを加速し、今後も長年培ったガラス・電子・化学品・セラミックスの技術を複合化。次世代高速通信技術の発展に貢献すると共に、積極的に事業を拡大していくとしている。
*1)ミリ波:28GHz帯以上の高周波数の電波のこと。高速大容量のデータの送受信が可能。
*2)低伝送損失:通信線路上に流れる電気信号の劣化度合いのこと。
*3)CCL:銅張積層板のこと。(Copper Clad Laminate)
<フレキシブルCCL概略図>