AGCは、高い耐候性と自己修復性を持つポリカーボネートシート「CARBOGLASS LF」を開発。今後、本製品を遮音壁やフェンスなどの屋外設置物件向けに販売し、2019年からの量産を予定している。
ポリカーボネート(ポリカ)は、透明で耐衝撃性に優れることから防護フェンスや道路の遮音壁などに使われる一方で、紫外線を浴びると劣化(耐衝撃性の低下、変色)するという短所がある。
表面に紫外線吸収剤を添加して保護層とした耐候グレード品も販売されているが、これら製品でも紫外線を長時間浴びると保護層が低分子量化し、紫外線がポリカに到達して劣化してしまうと云う。
AGCは今回、同社開発の被塗物の寿命を延ばす高耐候性フッ素樹脂ルミフロン(※1)をコート樹脂(※2)に用いて「CARBOGLASS LF」を開発。以下の3つの特長を備えている。
・紫外線を長時間浴びても保護層の紫外線吸収能力が落ちないため、耐衝撃性と透明度を長期間維持。
・時間の経過とともに微小な傷が自然消滅する“自己修復機能”。
・熱曲げしても表面にクラックが生じないため、より自由な形状デザインが可能。
なお、同製品は、12月5日(水)~7日(金)に幕張メッセで開催される「第9回高機能フィルム展」に出展が予定されている。(ブース番号:4ホール16-48)
※1:AGCが開発した高耐候性塗料用フッ素樹脂で、被塗物を屋外環境から保護し、耐久性の向上に貢献。1982年の上市以来、世界の建築構造物に採用されている。
※2:AGCと塗料メーカーで共同開発したコート液。
[開発品の耐衝撃性と自己修復機能の検証結果]
■耐衝撃性
高出力の水銀ランプの光(紫外線)を3時間照射した際の耐衝撃性(衝撃吸収エネルギー)の変化をみると、ポリカシート単体(CARBOGLASS クリア)や共押し品の耐衝撃性は照射前と比較して30%低下するのに対し、「CARBOGLASS LF」の耐衝撃性は同条件の照射で10%程度しか低下しない。
■自己修復機能
スチールウールでポリカのコート面に傷をつけた後、室温で放置すると傷が徐々になだらかになる(1μm以下の傷で実証済みだが、傷の種類によっては消えない場合もある)。
[問い合わせ先]
AGC株式会社 広報・IR部長 玉城 和美
担当:太田
電話: 03-3218-5603
メール: info-pr@agc.com
■第9回高機能フィルム展:http://www.filmtech.jp/