AGCは、伝送損失が低く、透明な、5G(※1)向け合成石英ガラスアンテナを開発した。今後、車載用や室内外用アンテナ等での実用化に向けた研究開発を進め、2019年からサンプル提供を開始する。
今回開発された合成石英ガラスアンテナでは、28GHz帯向けとしてAGCが開発したアンテナ設計技術を、当社の合成石英ガラスAQに適用し、超低伝送損失(※2)特性を実現。また、独自の微細加工を行うことによりアンテナパターンの透明化に成功した。
視認エリアへ設置しても美観や景観を損なわず、視界の遮りを極力抑えることができることから、車載用や室内外用といった分野において最適なアンテナとなるとしている。
AGCグループでは、長期経営戦略「2025年のありたい姿」で、モビリティおよびエレクトロニクス事業を戦略事業と位置付け、中でも、5Gの実用化を大きな事業機会と捉えていると云う。
そのため、コネクテッドカー向けオンガラスアンテナや既存窓を基地局化できるガラスアンテナの開発、プリント基板用材料フッ素樹脂の生産増強、米国企業のプリント基板材料リジッドCCL(銅張積層板)事業部門の買収などを行ってきた。
AGCグループは、今後も長年培ったガラス・電子・化学品・セラミックスの技術を複合化させ、次世代高速通信技術事業を積極的に拡大していくとしている。
※1:第5世代移動通信システム。「高速大容量」「超高速信頼性・低遅延」「超大量接続」が要求特性。
※2:通信線路上に流れる電気信号の劣化度合いが極めて低いこと。