AGCは、自動車用ガラスアンテナの開発拠点となる電波暗室をベルギー・ゴスリーに建設、3月15日に竣工した。
電波暗室は、各種電子機器の特性のうち、電磁波の受信に関する特性を測定・評価するため、外界からの電磁波を完全に遮断し、電子機器から放射される電磁波を測定する施設。
既に稼働している日米の電波暗室に加え、今回の欧州における電波暗室の竣工で、AGCの自動車用ガラスアンテナの開発環境は、ガラス業界初(※)となる日米欧3極での展開となった。
これに際してAGCは、IoT時代の“つながる”クルマに対応するアンテナ開発を加速していく体制が整ったとしている。
将来のモビリティ社会では、カメラやLiDAR、センサーなどの機器によるクルマ同士あるいはクルマとすべてのものがつながるV2Xを実現する通信機能が求められるようになる中、受発信アンテナの搭載および電波の出入り口として、自動車用ガラスの役割が増していると云う。
クルマのデザインを損ねることなく、各種放送波の受信や5Gなどの高速通信に最適なガラスアンテナデザインを設計するためには、開発段階から高度なシミュレーション技術の応用や高精度な計測技術が求められる。
AGCグループは、モビリティ分野を戦略事業のひとつに位置付けている同社の経営方針「AGC plus」の下、今後、日米欧3極に電波暗室を持つ強みを活かし、“つながる”クルマの実現に貢献していきたいとしている。
※:AGC調べ(2019年3月18日現在)