小糸製作所は、世界初のヘッドランプシステム「ブレードスキャンADB(Adaptive Driving Beam)」を開発し、トヨタ自動車の新型「レクサスRX(※1)」に採用された。
ADBは、ハイビームの照射範囲を走行状況に応じて自動制御し、対向車や前走車に眩しさを与えることなく、夜間走行の前方視界を良好にするヘッドランプシステム。
小糸製作所では、現在主力となっている複数のLEDを個別に点消灯することで配光を制御する「アレイADB」を実用化するなど、ADBの普及を進めている。
今回開発のブレードスキャンADBは、高速回転する2枚のブレードミラー(リフレクタ)にLEDの光を照射し、光の残像効果を用いて前方を照射する方式のもの。
ブレードミラーの回転に合わせて12個のLEDの点消灯を制御することにより、300個のLEDを使用するのと同等の高精細な配光を実現。対向車や前走車に対する遮光範囲を極めて小さくすることができると云う。
これにより、対向車や前走車の近傍や車両間のスペースの照射が可能になり、対向車側から歩行者が横断する際の歩行者の早期発見など、交通事故低減に貢献する。
小糸製作所は今後、アレイADBと併せてADBの更なる普及拡大を目指すとしている。
[ブレードスキャンADBのロゴ]
小糸製作所は、ブレードスキャンの技術特徴である2枚のブレードミラー(リフレクタ)をモチーフにしたロゴを設定した。
※1.「レクサス RX」:RX450hL、RX450h、RX300(トヨタではADBを、AHS:Adaptive High-beam Systemと呼称)