車載インフォテインメントの技術革新をさらに加速させるため、インターフェースデザインをさらに刷新
株式会社ACCESS(アクセス、ACCESS CO., LTD.、本社:東京都千代田区、代表取締役:大石 清恭)は12月18日、車載インフォテインメント・プラットフォームとコンテンツストリーミング・サービスを組み合わせたOEM企業向けのWhite Label(ホワイトレーベル)ソリューションとしての最新版「ACCESS Twine(TM) for Car 2.0」の提供開始を発表した。(坂上 賢治)
この「ACCESS Twine for Car 2.0」は、来春早々の2019年1月8日に米国ネバダ州モハーベ砂漠所在のラスベガスで開催されるCES 2019 におけるイベント「SAE International Connect2Car 」にて世界初披露される予定だ。
ちなみにこのACCESSは、1979年創業で1984年創立。主にインターネット接続機能を有する家電・情報端末向けウェブブラウザ「NetFront」の実装の開発・販売、電子出版プラットフォームの提供等を行なっている企業だ。
日本国内よりも世界に於いて著名な企業であり、それは2005年にハンドヘルドコンピュータのオペレーションシステム「Palm OS」の開発を行っていた米PalmSource(現、ACCESS Systems)を買収・傘下にしたことが契機で、当時は一躍話題を蒔いた。
「Palm OS」は、現在のiPhoneにも繫がるハンドヘルドコンピュータOSの草分け。日本の「禅」をヒントに、ニューヨーク州ロングアイランド生まれで現・人工知能の研究者であるジェフ・ホーキンス氏が1996年に販売したPDA(personal digital assistant)の名前でもある。
同機は限られたリソースしか持たない手の平に収まるデバイスでありながら、実践的なユーザインタフェースを実現させたことで1990年代のモバイルコンピューティングの世界で一世を風靡した。なおACCESSは、その後の2006年にネットワークソフトウェアの開発を行っている米IP Infusionを買収・傘下にしている。
そんなACCESS は、自動運転が当たり前になりつつある昨今、運転から解放された車内空間・乗車時間を価値ある空間・時間を創設するべく今年4月に「ACCESS Twine for Car 」を提供したが、今回、その最新版として「ACCESS Twine for Car 2.0」をリリースした。
最新版では、デザインを刷新した拡張可能なHMI/UI(Human to Machine/User interface)、車載向け電子番組ガイド(Electronic Program Guide、EPB)、燃料補給や駐車場等の支払いサービスサポート等の新しいサービスを追加し、これをLinuxおよびAndroid向けに提供する。
この新たなザイン要素を取り入れたIVI(インダストリアル・バリューチェーン・イニシアティブ・Industrial Value Chain Initiative)についてACCESS Europe最高経営責任者(CEO)のDr. Neale Foster氏は「自動車業界では、かつてないペースで技術革新が進んでいます。
その中心となるテーマが、電気自動車と自動運転車です。これに伴い、豊富な情報やメディアを扱うエンターテインメント・サービスを提供する自動車メーカーにとって、顧客とのブランドエンゲージメントを強化する好機が到来しています。
ACCESSはこうした技術革新の最前線にいますが、今回のリリースにより当社の画期的な車載インフォテインメント・ソリューションをさらに強化します。『ACCESS Twine for Car 2.0』は、実装も容易で、独自性の高い自社ブランドのエンターテインメント・サービスの創造を可能にします」と話す。
また同氏は「ACCESS Twine for Carは、自動車メーカー向けの柔軟なマルチメディア・コンテンツサービスであり、ソフトウェアコンポーネント、動画/音声コンテンツ著作権管理、コンサルティングサービスから構成されています。
このソリューションは、自動車業界とコンテンツ業界の間の障壁を取り除き、ドライバーや乗員がコンテンツを視聴する際の安全性、快適性、柔軟性を向上させるために開発されました。
自動車メーカーが自社ブランドとして、新しいコネクテッドサービスの導入やBYOD(Bring Your Own Device)環境への対応を図れるよう設計されています。
ドライバーや乗員は、車載エンターテインメントシステム上だけでなく、手持ちのモバイル端末をクルマのWi-Fiホットスポットに接続し、端末上でエンターテインメント・サービスを楽しむことも可能になりました」と新たなインターフェースデザインについて語っている。
より具体的には、車載のインターネット環境を活用して新たなインフォテインメントサービスが提供できるよう機能強化した。例えばニュースや、天気予報、株価、フライト情報サービスなど様々な情報との統合が容易となり、パーキングや燃料の支払いといった補完サービスにも対応させている。
このため自宅にいるかのように飲み物の購入や個人のカレンダー管理を行うことも可能で、位置情報サービスとの連携により、小さく限られた画面上に於いても近隣のパーキングや店舗、小売店の位置情報や、店舗内のキャンペーン情報等も知ることができるという。
併せてBYODによる後部座席のエンターテインメントをサポートするためのマルチゾーン再生機能も拡張。クルマに持ち込まれる端末の種類の多様化に伴うコンテンツのDRM(デジタル著作権管理)をサポートするためのセキュリティも拡張した。
「ACCESS Twine for Car 2.0」の主な機能は以下の通り
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- HMI/UIの刷新により、新機能追加やプロモーションを迅速に実現。
- 世界市場向け映画ラインナップを拡大。
- 音声/動画OTTストリーミング(ラジオおよびテレビのライブ視聴と、キャッチアップ/オンデマンドのコンテンツを提供する電子番組ガイド付き)。
- 車内Wi-Fiに接続された全デバイスの車内メディアライブラリーのコンテンツをインデックス化。
- ヘッド・ユニットや後部座席エンターテインメントの両内蔵機器で利用可能なマルチゾーン再生機能が、個人のスマートフォンやタブレットとの連携。
- ペアレンタル・コントロール機能。
- あらゆるクラウドベースのサービスと拡張可能な、ニュース、天気予報、株価、フライト状況などの情報サービス。
- 他の小売サービスと拡張可能な、駐車場/燃料支払い等の便利なサービス。
- 近隣の駐車場検索、店舗検索、ショッピングなど、位置情報連動サービス。
- 番組制作会社のストリーミングコンテンツ向けDRMサポート。
- 車内環境でBYODの安全性を確保するためのプラットフォームセキュリティ。
- 放送インフラ非依存のOTT配信。