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2021年6月22日【CASE】

エイブリック、接続診断用ハイサイドスイッチ発売

NEXT MOBILITY編集部

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エイブリックは6月22日、車載カメラ/アンテナ接続診断用 ハイサイドスイッチ「S-19682/3シリーズ」の販売を開始したと発表した。同製品は36V動作600mA出力の車載ハイサイドスイッチとしては業界最小(2021年6月 エイブリック調べ)だとのことだ。

 

 

 自動車業界は近年CASE(コネクテッド化、自動運転化、シェア/サービス化、電動化)を軸とした技術革新が急速に進んでおり、100年に一度の大変革時代といわれている。CASEの中の「自動運転化」に必要な先進運転支援システム(ADAS)や自動運転(AD)システムがあるが、こうしたシステムに対してより高い堅牢性が求められる中で、ADAS/ADシステムを制御するユニット(ECU: Electronic Control Unit)と、車載用カメラをはじめとする様々なカメラ/センサ/アンテナから発する外部情報との接続の確からしさが重要となってくる。通常、ECUと車載用カメラなどのカメラ/センサ/アンテナは、各々離れた位置に配置されることが多いことから、間をつないでいるハーネスの短絡や断線、過電流による誤動作や破損といったリスクがあり、何らかの対策が求められる。こうしたトラブルにつながる異常を検出した際に、カメラ/センサ/アンテナとECUとの接続を遮断し機器の安全を確保するために、ハイサイドスイッチの需要が高まっている。

 

 

ハイサイドスイッチとは外部からの信号で回路のON/OFFを行うことができる半導体で、スイッチのON/OFFにより通電/遮断を制御するもの。今回発売される接続診断用ハイサイドスイッチ「S-19682/3シリーズ」は、電流モニタ機能を有するため、ECU側でカメラ/センサ/アンテナに流れる電流を簡単にモニタすることができるのが特徴だ。これにより、カメラ/センサ/アンテナの接続状態を診断でき、接続エラーや異常を検出した際には「S-19682/3シリーズ」側のスイッチをオフすることで負荷を切り離すことができるとしている。さらに、電流リミット機能も備えており、設定電流以上の電流が流れることを防止できるため、より安全な設計を実現するとのことだ。

 

 

また、ハイサイドスイッチには、1パッケージあたり多チャネルのものと1チャネルのものがあり、一般的に多チャネル品の方が1チャネル当たりの面積が小さくECUの小型化には重宝される一方で、基板上の配置に制約が付くなど、設計の自由度に課題が残っていた。

 

 

今回の「S-19682/3シリーズ」は、1パッケージ1チャネル品として業界最小のHSNT8(2.0×3.0×t0.5mm)パッケージを採用し、多チャネル品と比較した際の1チャネル当たりの専有面積でも業界最小を実現。設計自由度が向上したことに加えて、既述の通り接続診断用としての機能を備えているため、ADAS/ADシステムに対応する昨今の車載用機器のニーズに応える製品になっている。

 

 

(ハイサイドスイッチ イメージ図)

 

 

なお、「S-19682/3シリーズ」はPPAP(Production Part Approval Process: 生産部品承認プロセス)に対応しており、車載ICの品質規格AEC(*)-Q100 Grade1(*Automotive Electronics Council: 車載電子部品評議会)にも対応予定。

 

そのほか、発表された同製品の主な特長は以下の通り。

 

 

【主な特長】

 

 

1. 業界最小!超小型パッケージ「HSNT-8(2030)2.0×3.0×t0.5mm)」を採用

 

 

「S-19682/3シリーズ」は、36V動作、600mA出力のハイサイドスイッチとして業界最小パッケージサイズを採用。車載カメラモジュールや各種車載コントロールユニットの小型化に貢献。

 

さらに従来品に比べて周辺部品を削減可能な構成にすることにより、周辺部品を含めたフットプリント面積も業界最小サイズを実現することが可能に。

 

 

2.リミット電流のバラつきが小さい

 

「S-19682/3シリーズ」は、リミット電流の精度が±10%(ILIM≧200mA)と高精度。電流監視及びリミット電流設定に必要な周辺部品が不要となる構成であるため、周辺部品によるバラつきがなくなる。これにより、周辺部品を含めたトータルの電流リミット精度の高精度化を実現している。

 

 

3.様々なアプリケーションで柔軟な接続診断を実現

 

 

「S-19682/3シリーズ」は、高出力電流600mA(S-19683シリーズ)、高精度リミット電流±10%(ILIM≧200mAのハイサイドスイッチ)で、負荷電流に比例した電圧を出力するCSO端子を備えています。CSO端子は状態出力端子も兼ねるため、MCUでCSO端子電圧をモニタするだけで、カメラ/センサ/アンテナ等の電流モニタと接続状態(オープン/通常/地絡/天絡)の診断が可能です。

多機能化が進む車載カメラ、ADASロケータなど様々なアプリケーションの接続診断をシンプルな構成で実現できます。

 

 

 

 

4.各種保護機能でお客様に安全・安心を提供

 

 

「S-19682/3シリーズ」は、電流モニタ機能に加え、サーマルシャットダウン、電流リミットの2つの保護回路も内蔵。さらに過電圧検出及びUVLO(Under Voltage Lock Out)回路も内蔵。

 

 

5. 36V入力/45V定格
 

 

「S-19682/3シリーズ」は、入力電圧36V、定格45Vの高耐圧製品のため、直接12V鉛バッテリーに接続することが可能。

 

【主な仕様】 

・入力電圧

 4.5 V ~ 36.0 V

・制限電流

 100 mA ~ 300mA (S-19682 シリーズ)

 300 mA ~ 600mA (S-19683 シリーズ)

・制限電流精度

 ±10 % (S-19683 シリーズ)

 ±10 % (S-19682 シリーズ、ILIM≧200mA)

 ±12 % (S-19682 シリーズ、150mA≦ILIM<200mA)

 ±15 % (S-19682 シリーズ、ILIM<150mA)

・オン抵抗

 0.6 Ω typ.、 1.0 Ω max.

・消費電流

 55 µA typ. (動作時)

 0.6 µA typ. (停止時)

・サーマルシャットダウン回路を内蔵(ラッチ方式、ヒステリシス方式)

・過電圧検出回路を内蔵

UVLOを内蔵

・鉛フリー(Sn 100%)、ハロゲンフリー

AEC-Q100進行中(※2

 


【用途例】

  • 車載カメラモジュールの接続診断
  • 車載サラウンドカメラECU
  • GPSアンテナなどのリモートLNAファンタム電源
  • ADASロケータ
  • e-call
  • カーナビゲーションシステム
  • カーオーディオシステム
  •  

 

 

【車載用接続診断IC ラインナップ】

 

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。