ディープラーニングを活用し産業構造の変革をサポートするABEJA(アベジャ)は、輸送用機械器具の製造・販売を行う武蔵精密工業と協業し、ディープラーニング技術を活用した自動検品の実証実験を、昨年6月から10月に実施。
武蔵精密工業は、2018年度、実証実験で構築したモデルを活用、自社工場内で試験的な運用を開始する。
武蔵精密工業は、主にパワートレイン領域で使用される4輪/2輪部品を製造、鍛造から組立までを自社でグローバルに展開する一貫生産体制が強みだと云う。
同社は、生産性向上の取組の一環として、工場の自動化に早くから着手してきたが、検品工程は、熟練した作業員の能力に依るところが大きく、自動化への課題があった。
そこでビックデータをもとに、良否を判定できるディープラーニング技術に着目、2017年から社内プロジェクトとして、検品工程へのAI導入を模索してきた。
一方のABEJAは、蓄積されたビックデータから人間の手を介さずしてそのデータを適切に表現する特徴を自動的に見つけ出す「ディープラーニング」技術を活用したサービスを提供。
ディープラーニング技術を活用し、様々な大量データの取得・蓄積・学習・解析・出力・フィードバックを行うPaaS(Platform as a Service)技術である「ABEJA Platform」の研究開発を行ってきた。
2016年6月には、ダイキン工業株式会社の技術開発拠点であるテクノロジー・イノベーションセンターと、ディープラーニングを活用したPaaS領域においての協業を開始。
2017年7月には製造業におけるバリューチェーンの構造変革を図るソリューションとして、「ABEJA Platform」を活用したパッケージサービスの提供を開始し、製造業界へ進出した。
今回の武蔵精密工業との実証実験では、武蔵精密工業が製造する四輪車用のベベルギヤの画像データを、ディープラーニング技術により解析、良品と不良品を見分け、不良品を検出する学習済みモデルを構築。
武蔵精密工業が製造するベベルギヤは、精密鍛造技術を用いて製造されるため、完成品の精度が高く、不良品の割合は非常に低いが、目視による検品工程の自動化には、多くの課題があった。
そこで、画像解析に高い精度を持つディープラーニング技術を活用し、不良品データが著しく少ない状況でも不良品を確実に検出できるよう両社で連携、実証実験の中で様々な工夫を施したと云う。
例えば、武蔵精密工業は、製造装置の内製化で培った技術力を活かし、対象物をカメラで的確にとらえデータを取得するための環境を構築。
ABEJAは、「AutoEncoder」(オートエンコーダ:自己符号化器)をはじめとした複数の手法を組み合わせ、良品データのみから不良品を判断する方法を確立、モデルの精度向上に努めた。
その結果、約4ヶ月間の実証実験で、人が目視で行う検品と同程度の精度をもつ学習済みモデルの構築を実現。
武蔵精密工業とABEJAは、実証実験で構築した学習済みモデルの調整を引き続き行い、さらに精度を高め、ABEJA Platformの継続的なインテグレーション(モデルの再学習や更新)と監視機能を用いて、2018年度には試験的な運用に移行する予定だ。
[武蔵精密工業株式会社 概要]
会社名:武蔵精密工業株式会社
代表者:代表取締役社長 大塚 浩史
所在地:愛知県豊橋市植田町字大膳39-5
資本金:30億604万1,250円(2017年7月14日現在)
事業内容:輸送用機械器具の製造および販売
URL: http://www.musashi.co.jp/
[株式会社ABEJA 概要]
会社名:株式会社 ABEJA
代表者:代表取締役社長CEO兼CTO 岡田 陽介
所在地:東京都港区虎ノ門4-1-20 田中山ビル10階
資本金:1,148,518,043円(資本準備金含む)
事業内容:ディープラーニング技術を活用した産業構造変革のサポート
URL: https://www.abeja.asia/
問い合せ先:
株式会社ABEJA 担当:広報 中野
電話番号:03-6452-8848