横浜ゴムは7月12日、近年増加しているEV用のタイヤに対する需要(車両重量増加に伴うタイヤ構造並びにトレッド溝の深さ、転がり抵抗に係る負荷指数・静粛性向上に伴うロードノイズ要求の変化・駆動トルクの変化に伴うトラクション強度に係る耐摩耗性能など)に応えるため、2023年下期より、電動車対応商品であることを示す独自のマーク「E+ (イー・プラス)」を、乗用車およびトラック・バス用タイヤに導入すると発表した。電動車に装着されるタイヤには、バッテリー搭載による高荷重やモーターによる高トルク出力への対応、エンジン音のない静かな電動車に相応しい静粛性への対応、車両の電費・エネルギー消費効率向上、航続距離拡大への対応など特徴的なニーズがあると云う。
横浜ゴムでは、これまで「BMW iX3」「メルセデスAMG EQS 53 4MATIC+」、LEXUS(レクサス)「RZ」、トヨタ自動車「bZ4X」、スバル(SUBARU)「SOLTERRA(ソルテラ)」、「日産サクラ」、三菱自動車工業「eKクロスEV」など、プレミアムから軽自動車まで数多くの電動車へ新車装着(OE)用タイヤを納入してきたが、こうしたOEタイヤなどの商品開発で培ってきた様々な技術を応用した電動車向け市販用タイヤの開発を加速。
今後、これら技術により電動車の特徴的なニーズに対応した新商品には「E+」マークをタイヤサイドへ打刻するほか、カタログやウェブサイトなどに表示することで、電動車対応商品であることを分かりやすく伝えタイヤ選びをサポートしていく。
なお、第1弾の商品展開は2023年秋頃から欧州などで順次発売するEV専用ウルトラハイパフォーマンスサマータイヤの「ADVAN Sport EV(アドバン・スポーツ・イーブイ)」から開始すると云う。
横浜ゴムは、2021年度から2023年度までの中期経営計画「Yokohama Transformation 2023」(ヨコハマ・トランスフォーメーション・ニーゼロニーサン)のタイヤ消費財事業に於いて、高付加価値商品の主力であるグローバルフラッグシップタイヤブランド「ADVAN」、SUV・ピックアップトラック用タイヤブランド「GEOLANDAR(ジオランダー)」、そして「ウィンタータイヤ」の販売構成比率最大化を掲げ、「ADVAN」および「GEOLANDAR」の新車装着拡大と補修市場でのリターン販売強化を推進。
今後も、新車装着では高い技術が求められる電動車への納入を強化すると共に、そのフィードバックを市販用タイヤの開発に活かし、時代の変化に対応した商品ラインアップの拡充や各商品の性能向上を図っていくとしている。