屋内氷盤旋回試験場の外観
横浜ゴムは2月7日、北海道旭川市のタイヤテストコース「北海道タイヤテストセンター( Tire Test Center of Hokkaido=TTCH )」に、冬用タイヤの氷上旋回性能をテストする屋内氷盤旋回試験場を開設。1月5日より稼働を開始した。同試験場は氷盤旋回の屋内試験施設としては国内最大となる。
屋内氷盤旋回試験場は、凍結路面に於いて氷上制動性能の次に重視される氷上旋回性能の更なる向上を目指して開設したもの。
屋外試験と比べ、天候や気温など外的要因の影響を受け難く氷面状態を安定的に保つ事が出来るため、試験データの精度が向上し、より高度な技術開発を効率的に行える。
室内に設置された氷盤旋回路
建物寸法は、全長56m×全幅56m、室内高(最高部)12.3m、氷盤面積1,960m2で、旋回半径10~22mまでの試験が可能。
横浜ゴムは2015年12月にTTCHを開設して以来、タイヤ事業のグローバルな拡大に対応するため、試験・評価手法の高度化を進めて来た。
冬用タイヤ向けでは2018年1月に屋内氷盤試験場を開設し、更に2020年11月に同施設に氷の表面温度を-10℃~0℃(基準の室温が5℃の場合)までコントロールできる国内最大級の冷媒装置を設置した。
今回完成した旋回試験場は屋内氷盤試験場に隣接しており、両施設での試験を効率的に組み合わせ、安全性を更に高めた冬用タイヤの開発を加速していく構え。
冬用タイヤのテストコースはTTCHの他に、スウェーデンに「YOKOHAMA TEST CENTER of SWEDEN(YICS)」を設置している。
TTCHでは世界中で販売する全ての冬用タイヤの試験を行い、YICSでは主に欧州向け商品の確認評価を実施しており、各国・地域に最適な商品開発を推進している。
なお横浜ゴムは2021年度から2023年度までの中期経営計画「Yokohama Transformation 2023(YX2023)」(ヨコハマ・トランスフォーメーション・ニーゼロニーサン)のタイヤ消費財事業に於いて高付加価値商品の主力であるグローバルフラッグシップタイヤブランド「ADVAN(アドバン)」、SUV・ピックアップトラック用タイヤブランド「GEOLANDAR(ジオランダー)」、そしてオールシーズンタイヤを含めた「ウィンタータイヤ(冬用タイヤ)」の販売構成比率最大化を掲げている。
北海道タイヤテストセンターの概要
・名称:北海道タイヤテストセンター(Tire Test Center of Hokkaido=TTCH)
・開業:2015年12月
・所在地:北海道旭川市神居町上雨紛※500(※かむいちょうかみうぶん)
・敷地面積:906,462m2
・試験対象:乗用車およびトラック・バス向け冬用タイヤ(春から秋は夏用タイヤの試験にも活用)
・試験コース:速度100km/h超での高速試験が可能な直線約1kmの圧雪路を持つ全長2.3kmの周回路、氷盤路、雪上/氷上登坂路、雪上/氷上旋回路、勾配5%の全長1.1kmの圧雪ハンドリング路
屋内氷盤旋回試験場の概要
・建物寸法:全長56m、全幅56m、室内高(最高部)12.3m
・延床面積:3,136m2
・氷盤面積:1,960m2
・試験旋回半径:10m~22m
・構造:鉄骨造平屋建て
・稼動:2023年1月