横浜ゴムとタイヤ販売子会社のヨコハマタイヤジャパンは、6月20日、京都タクシーおよび興進タクシーの協力を得て、タイヤソリューションサービスとして開発した「タイヤ空気圧の遠隔監視システム(Tire air Pressure Remote access System=TPRS)」の実証実験を、5月より開始したと発表した。
実証実験は、京都タクシーと興進タクシーの車両に、横浜ゴム開発の「タイヤ内面貼り付け型空気圧センサー付きタイヤ」と「TPRS」を導入して、京都府およびその近郊エリアで実施。CASE(※1)、MaaS(※2)など、自動車業界の変革に対応するため、「TPRS」と「タイヤ内面貼り付け型空気圧センサー」の効果を検証する。
「TPRS」は、「タイヤ内面貼り付け型空気圧センサー」が検知したタイヤの空気圧や温度、車両の位置情報を、車両管理者やタイヤサービススタッフがリモートで把握することができるシステム。導入により、タイヤ空気圧の始業前点検の省力化や空気圧情報の記録、タイヤの空気が徐々に抜ける“スローパンクチャー”の早期発見、タイヤメンテナンスの適切な実施、点検のバラツキ防止、リアルタイム異常検知による事故防止、適正空気圧維持による燃費向上等、様々な効果が期待できると云う。
「タイヤ内面貼り付け型空気圧センサー」は、従来の“バルブ式TPMS(Tire Pressure Monitoring System)”とは異なり装着ホイールを選ばないため、アフターパーツとして多種多様の車両、ホイールへの採用も可能。その検知データは、クラウドサーバーに送られ、車両管理者や横浜ゴムの営業所で確認できる他、燃費悪化の原因となる空気圧の低下やスローパンクチャーの恐れがある場合には、事務所内に設置した警報装置から管理者への通達も行われるとのこと。
横浜ゴムではこれまで、社用車やカーシェアリング事業者向けに、「TPRS」の実証実験を行ってきたが、今回、同様に厳しいタイヤ管理が求められるタクシー事業者向けの実証実験を行うことで、安全性や経済性の向上に貢献するビジネスモデルの確立を目指すとしている。
2021年度から2023年度までの中期経営計画「Yokohama Transformation 2023(YX2023)(ヨコハマ・トランスフォーメーション・ニーゼロニーサン)」に於けるCASE、MaaSへの対応策として、センシング機能を搭載した「SensorTire(IoTタイヤ)」の開発と、機動的なサービス力の強化による新たな「タイヤソリューションサービス」の展開を掲げる横浜ゴムは、昨年2月、乗用車用タイヤセンサーの中長期的な技術開発ビジョン「SensorTire Technology Vision」を発表。
IoTタイヤから得られた情報をドライバーや様々な事業者に提供することで、新たなモビリティ需要の変化に対応しつつ、安心・安全な運行に持続的に貢献することを目指しており、この実現に向けた活動の一環として、異業種との実証実験を行っている。
※1:Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(カーシェアリングとサービス/シェアリングのみを指す場合もある)、Electric(電動化)の頭文字をとった造語。
※2:Mobility as a Serviceの頭文字。地域住民や旅行者の移動ニーズに対応して複数の公共交通やそれ以外の移動サービスを最適に組み合わせて検索・予約・決済などを一括で行うサービス。
[実証実験・協力各社の概要]
<京都タクシー>
– 会社名:京都タクシー株式会社
– 社長:川本 惠三
– 業種:
一般乗用旅客自動車運送事業、一般乗合旅客自動車運送事業、運行管理・運行請負事業、貨物自動車運送事業、代行運転業、労働者派遣業、不動産賃貸業ほか。
– HP:https://www.kyoto-taxi.com
<興進タクシー>
– 会社名:興進タクシー株式会社
– 代表取締役社長:濵田 典亨
– 業種:一般乗用旅客自動車運送事業
– HP:https://www.55taxi-koshin.com/