Yanekara(ヤネカラ)、Shizen Connect(自然コネクト)、東邦ガスの3社は6月17日、発電設備・蓄電池・EVなどの需要設備を統合・制御し、ひとつの発電所のように機能させるVPP(Virtual Power Plant/仮想発電所)を介して、需給ひっ迫対策と電力調達コストの同時削減を実現する共同実証を8月から開始することを明らかにした。
昨今は2050年のカーボンニュートラルの実現を視野に、再エネ電源や蓄電池等の分散型リソースを活用することで安定した電力システムを構築していくことが重要な課題とされている。なかでも特に、今後の普及拡大が見込まれるEVを分散型リソースのひとつとして制御することへの期待は高い。
EVを活用したVPP実証イメージ
そこで同実証では、Shizen Connectが開発・運用するアグリゲート・エネルギー管理システム「Shizen Connect」を活用。これにYanekaraが提供するEV充電コントローラー「YaneCube」との連携を通じEV充電の遠隔制御を行う。
上記のShizen Connectは、低圧VPP(バーチャルパワープラント)分野で、2023年5月から「機器制御型 DR 支援サービス」の商用提供を開始。国内市場シェアの57%を占める家庭用蓄電池メーカー5 社とクラウド連携を実現している。
今回はV2H(バッテリーに貯めた電力を自宅で使えるようにする)機器経由でJEPX(国内唯一の卸電力の取引所)価格の高い時間帯のEV充電を停止させ、より価格の安い時間帯でのEV充電へとシフトさせることで、EVを分散型リソースとして活用。東邦ガス(小売電気事業者)のエネルギーの卸調達コストを削減。EV制御の技術性と経済性を検証することで、今後の商用展開を目指す。
実証概要
会社名 :株式会社 Yanekara
本社所在地:千葉県柏市柏の葉五丁目 4 番 19 号東大柏ベンチャープラザ
設立 :2020 年 6 月
代表者 :代表取締役 松藤圭亮 / 吉岡大地
事業内容 :電気自動車群による電力需給バランス調整システムの社会実装会
会社名 :株式会社 Shizen Connect
本社所在地:東京都中央区日本橋本町 2 丁目 4 番 7 号遠五ビル
設立 :2023 年 10 月 2 日
株主構成 :自然電力株式会社 100%
代表者 :代表取締役 松村宗和
事業内容 :VPP プラットフォーム事業、エネルギー管理サービス事業、IoT 機器販売事業など
会社名 :東邦ガス株式会社
本社所在地 :名古屋市熱田区桜田町19番18号(〒456-8511)
設立 :1922年6月26日
代表者 :代表取締役 松村宗和
事業内容:ガス事業・熱供給事業・電気供給事業。天然ガスなどのエネルギー資源の採取および売買など
供給区域 :愛知・岐阜・三重3県で54市21町1村