電脳交通は6月14日、てだこモビリティサービス(以下「TOMOS」)が、同社の配車システムを導入し、乗合機能を活用した医療機関へのワクチン接種者移動サービスの運行管理を開始したと発表した。
沖縄県浦添市では2020年11月に地元タクシー事業者8社が「TOMOS」を立ち上げ、高齢者や学生らの移動の足の確保に行政・業界が一体となる取り組みとして、浦添市より市全域をカバーする大規模なデマンド型コミュニティバス(うらちゃんmini)の運行を委託されている。
浦添市で新型コロナウイルスワクチンの接種が開始された2021年5月8日以降、うらちゃんminiを利用して接種会場まで接種者を無料で移送するサービスをいち早く提供してきたが、準備期間の短さと従来の運行形態との違いから、運行管理はアナログ管理とならざるをえなくなり、業務負担が大きいだけでなく、現場ドライバーへの指示においてもヒューマンエラー発生確率の高さが課題となっていた。
また、ワクチン接種のための乗合サービスは別々の場所で接種者が乗車し、複数の医療機関へ移動する必要があり、そのためルート設計が複雑になり、運行管理の観点においても課題があった。
こうした課題を解決するため、これまで全国各地で乗合・デマンド交通サービスの実証実験とシステム構築を2019年より行っていた電脳交通のクラウド型タクシー配車システムの「乗合機能」が採用され、「医療機関へのワクチン接種者移動サービス」の運行管理に活用されることになった。
電脳交通のクラウド型タクシー配車システムの「乗合機能」は、乗車依頼を受けたオペレーターがシステム上でワクチン接種者の乗車位置と乗車順を設定するだけで、ドライバーの端末に順序およびルートが送られる。これで配車指示とサービス提供にかかる設定や手間が飛躍的に軽減され、業務効率および移動効率の大幅改善が見込まれる。
浦添市都市計画課 仲里善文
「今般、新型コロナウイルス感染症の対応が急務となっており、ワクチン接種は国が進めている有効な感染防止対策と考えております。本市において、デマンド交通を運行しておりますが、時間通りにワクチン接種者を送迎することに課題がございましたが、株式会社電脳交通の協力により効率良く運行することができ、感謝しております。」
てだこモビリティサービス有限責任事業組合 東江優成
「タクシー業界は新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受け、全国各地で統廃合が目立つようになりました。そんな中、浦添市新型コロナワクチン集団接種輸送業務のお話をいただきこれまで運行してまいりました。この度、電脳交通様の新しいシステムを導入することにより更に効率的な配車で地域貢献ができればと考えております。「誰も取り残さない公共交通機関」をモットーに精進して参ります。」
株式会社電脳交通 代表取締役社長 近藤洋祐
「2020年からの新型コロナウイルス感染症の流行で社会全体が大きなダメージを受け、タクシー業界も大打撃を受けました。感染者が全国平均から見ても多い状況にある沖縄県において、ワクチン接種が迅速に進むことは今後の感染者減少・経済復興に繋がり、今回のてだこモビリティ様へのシステム導入がその一助になればと願っております。
電脳交通は、サービスの提供を通じて地域の移動を支える公益性の高い民間企業になることを目指すとともに、タクシー事業者にとって良きパートナーと感じていただけるよう、これからも、有事の際に地域交通が必要とするシステム・サービスを提供できる企業として、全国のタクシー事業者さまの要望を実現できるよう取り組んでまいります。」
■てだこモビリティーサービス有限責任事業組合(TOMOS) 事業者名一覧
合名会社安進タクシー/合名会社浦城タクシー/株式会社沖東交通/株式会社沖縄交通/株式会社グランド交通/守礼タクシー合資会社/株式会社はとタクシー/ひまわりタクシー株式会社
※五十音順