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2024年5月8日【MaaS】

うさぎ企画、焼津市で交流型モビリティ実験第2弾を実施

坂上 賢治

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「つなモビ」車両外観

 

モビリティ事業や人材マッチングなどで地域活性化事業に取り組むうさぎ企画は5月8日、静岡県焼津市で交流型モビリティ実験「つなモビ」第2弾を実施した。今回の実証実験では、今年1月6日( 土 )~3月24日( 日 )の79日間、焼津駅南口3キロ圏内でグリーンスローモビリティ( 1~2台/日 )を走行させた。

 

より具体的には、直売所・商店・観光施設・交流施設など33カ所の停留所に、市内外の利用客を送迎し、交流促進による経済効果やイノベーション効果の導出を図った。( ※79日間の内訳は、1月6日・土曜~1月26日・金曜の21日間を焼津市事業。1月27日・土曜~3月24日・日曜の58日間を経済産業省事業として実施した )

 

またグリーンスローモビリティは、「繋がりを生むモビリティ」という意味を込めて「つなモビ」と命名し、乗客は1日乗り放題600円のチケットを焼津市LINEまたは車内運転手の経由で購入して利用した。

 

つなモビ市内ツアー

 

実験結果としては、79日間で有料乗客数580人( 1日平均7.34人 )を得て、目標値の1日平均8人には僅かに及ばなかったものの、第1弾の実験結果( 2023年1月16日~2月28日実施 )の1日平均5.56人から3割以上乗客数を伸ばした。

 

580人の乗客の属性に係る内訳は、地元客229人( 約40% )、ビジネス客217人( 約37% )、観光客134人( 約23% )であった。

 

1人あたりの乗客回数は平均2.65回で、観光客は平均2.87回と最多。乗り放題運賃制もあり、多くの利用客が停留所を周遊した結果、79日間の実験期間中で1,781万円の経済波及効果や雇用創出効果も見られた。(一社 政策科学研究所の分析結果より )

 

乗客向けの出汁の試飲会

 

利用時のアンケート結果から、利用者の4割を占めた地元客は家族層とシニア層に大別され、家族や友人同士と行ったことのない停留所( 港沿いの食堂、カフェ、パン屋など )に来訪する事例が多く、独特な乗車体験が楽しめる「つなモビ」で知らない場所に行きたいという外出需要が確認できた。

 

また、自家用車で焼津市中心街まで観光または日常行動で来た利用客のうち24%が、「つなモビ」に乗り換えたことが判明し、焼津市が推進するウォーカブルな街づくりに寄与する効果や、CO2削減効果も確認できた。

 

33カ所の停留所

焼津市ラインからの予約方法

 

自家用車の利用率が80%を越え、公共交通も維持される焼津市中心街で、多くの地元客が「つなモビ」を利用した背景には、時速19キロという低速で街をめぐり、停留所店主との交流や旧来の街並みが楽しめるといった、自家用車や公共交通にはない体験価値への評価があったと分析している。

 

一方で、風雨の影響を受けやすいグリーンスローモビリティ特有の車両強度や、40本以上行った交流イベントの実効性など、多くの課題も明確になった。今後実装に向けた最終実験を検討しており、詳細は改めて発信していくと話している。

 

「つなモビ」第2弾の概要
実施場所:静岡県焼津市 (焼津駅南口の3キロ圏内)
実施期間:

  • 2024年1月6日(土)~3月24日(日)全79日間
  • ※2024年1月6日(土)~1月26日(金)の21日間:焼津市の事業として実施
  • ※2024年1月27日(土)~3月24日(日)の58日間:経済産業省の事業として実施

運行時間:10:00~17:00(12:00~12:30は休憩時間)
実験主体:合同会社うさぎ企画
後援団体:焼津市観光協会、焼津商工会議所、しずおか焼津信用金庫
協力団体:

【車両ラッピング】株式会社ジェイトリム・ジャパン

【車両レンタル】株式会社モビリティワークス
【車両デザインおよびインスタグラム展開】兼平あゆみ(massara design works.)
運行委託:株式会社アンビ・ア タクシー事業部

 

チラシデザイン(経済産業省期間)

※参考情報:「つなモビ」第1弾の概要
場所:静岡県焼津市 (主に駅前商店街~旧港・新港エリア)
期間:2023年1月16日~2月28日(モビリティサービスの利用可能日は、平日のみ)
主催:合同会社うさぎ企画、株式会社LANDMARK
成果:登録数272、有料乗車数173 (総ライド数 520)、総施設来訪数601

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。