椿本チエインは、電気自動車(EV、PHEV:以下EV)の急速充電コネクタを通じて、EVと公共施設やビル、工場などの電力網を双方向につなぐV2X対応充放電装置を改良した、新型の「eLINK」を開発した。
新型では、バーチャルパワープラント(VPP:仮想発電所)のリソースでの活用を考慮し、機能拡充を図ったと云う。
椿本チエインは、2013年に「eLINK」を発売。停電時の非常用電源や平常時のピークカットに使うV2B対応充放電装置として、公共施設を中心に活用されている。
新型「eLINK」は、 SiC双方向インバータを採用し電力変換を高性能化し、さらに、装置本体とタッチパネル画面のデザイン一新により、屋外での視認性や操作性を向上。
EMS(建物のエネルギーマネジメントシステム)との豊富な接続実績や、EVをVPPリソースとして活用する国内初の実証実験への参画など、これまでの経験・ノウハウを組み込んだ製品となっているとのことだ。
※V2X:「Vehicle-to-Everything」の略。蓄電池を持つ自動車(Vehicle)と住宅(V2H)、ビル(V2B)、電力網(V2G)などの間で電力の相互供給を行うこと。これらの総称として「V2X」と呼ぶ。
※SiC:小型化・低消費電力化・高効率化が可能な次世代パワー素子。
※新商品は、椿本チエイン独自で設定したエコ評価基準をクリアした商品。
[新型eLINKの概要]
<特長>
・EVをVPPリソースとして電力調整に活用、「高応答」「高精度」な充放電が制御できる。
・通信インターフェイスとして、新たにECHONETLiteに対応。また、産業向けのModbusTCPにも対応(予定)し、モニタリング(見える化)およびリモート操作が行える。
・適用システムに応じたIoTゲートウェイ、電力計測器、カード読取器などを組み込める。
・タッチパネル画面でのユーザー認証にも対応可能(オプション対応)。
<仕様>
– 給電:
・ 電圧:単相3線AC202V 周波数:50/60Hz
・ 出力:5kW (力率1.0時) ※非常用電源では系統から切り離す
– 充電:
・ 電池電圧:DC150~450V
・ 出力:4.5 kW(直流)
– 通信:ECHONETLite、ModbusTCP(対応予定)など
– 外形寸法:400(W)×1500(H)×300(D) mm
– 質量:114kg
– その他:
・V2Hガイドライン2.1およびECHONETLite認証を取得。
・主なV2X対応車両:LEAF e+、LEAF(日産自動車)、OUTLANDER PHEV、i-MiEV(三菱自動車工業)
※車種ごとの接続性は確認中
<用途>
・EVの大容量バッテリの充放電を電力調整に活用する、VPPリソースやピークカット。
・EVに蓄えた電力を活用する災害時などの非常用電源。
<納入実績>
「V2Gアグリゲーター事業」実証事業に採用
(詳細:http://www.tsubakimoto.jp/company/press/2018/11/07/1/)
<価格・納期>
都度見積
※ECHONETLite:各機器がシステム内で相互接続し、エネルギーマネジメントなどのサービスを実現するための通信仕様。
[問い合わせ先]
開発・技術センター PCSビジネス担当(担当:植平・朝田)
メール:eLINK@gr.tsubakimoto.co.jp