豊田通商は、AIを活用した画像解析による車両検査サービスを提供するイスラエルのスタートアップ企業「ユーブイアイ社(UVeye)」の第三者割当増資に参加し、同社へ出資した。
なお同件は、豊田通商の社内ファンド「ネクストテクノロジーファンド」の案件となる。
自動車の外観検査では、これまで人による目視検査が一般的で、その結果にバラツキや見落としなどが生じることがあった。また国内では、労働人口の減少に伴い、検査員の成り手が減少することが予想されることから、今後、車両検査の効率化と省人化のニーズが見込まれる。
ユーブイアイ社は、カメラを搭載した車両撮影ハードウェアと、画像から車両の異常を検知するソフトウェアを開発し、その組み合わせによる自動車の車両下部の検査システムを構築し、同システムを使った検査診断サービスを世界70ヶ所で提供している。
システムでは、撮影ユニットの上を車両が通過すると、車両下部をスキャンし画像データを取得。撮影した画像データを3Dイメージ加工し、予め深層学習した異常検出エンジンにより、錆、オイル漏れ、部品欠落などの車両異常や異物などを検出し識別。作業は、車両の通過から、画像取得、診断結果の出力まで、数秒で完了する。
また、ユーブイアイ社では現在、車両下部の検査だけでなく、車両ボデーやタイヤなども含めた車両全体を一度に検査するシステムを開発している。
豊田通商は、一連の検査・診断の自動化により、検査結果の信頼性が向上。車両メンテナンスでの活用や、重要施設入構時の車両セキュリティ検査などへの利用が見込まれるとしている。
豊田通商は今回の出資により、ユーブイアイ社のビジネスパートナーとして、同社製品とサービスの販売権を取得。100%子会社の豊通オートモーティブクリエーションと共同で、自動車業界やセキュリティ業界への販売を中心にサービスの拡販を行う。
さらに、自動車業界に限らず、新たな検査サービスをユーブイアイ社と共同開発し、サービスエリアの拡大を図っていくとしている。
[会社概要]
<UVeye社>
– 会社名:UVeye Ltd. (ユーブイアイ)
– 所在地:イスラエル国・テルアビブ
– 設立年:2016年
– 資本金:35百万米ドル
– 従業員数:100名
– 代表者:CEO & Co-Founder, Amir Hever(アミール・へヴァー)
– 事業概要:AIを活用した車両の自動異常検知システムの開発・診断サービス事業
<豊通オートモーティブクリエーション>
– 会社名:豊通オートモーティブクリエーション株式会社
– 所在地:愛知県名古屋市中村区名駅南2丁目14番19号 住友生命名古屋ビル24階
– 設立年:2009年
– 資本金:1,000万円
– 従業員数:134名
– 代表者:代表取締役 村井 義之
– 事業概要:自動車向け純正部品・純正用品の商品開発及び営業全般