豊田通商とスズキは11月24日、インドに共同設立した「Maruti Suzuki Toyotsu India(マルチ・スズキ・トヨツウ・インディア/以下、MSTI)」が、11月23日に稼働を開始したと発表した。
MSTIは、豊田通商とグループ会社のToyota Tsusho India(豊田通商インディア)、そしてスズキのインド子会社であるMaruti Suzuki India(マルチ・スズキ・インディア/以下、マルチ・スズキ)が設立した、使用済み自動車(ELV:End of Life Vehicle)の適正処理および解体・リサイクルを行う合弁会社。
MSTIでは同日、稼働開始を記念して、同国ニティン・ガドカリ道路交通・高速道路大臣、鈴木哲駐インド日本国大使らの出席の下、開所式が行われた。
インドの自動車市場は、新型コロナウイルス感染症からの回復や、8月に始まった同国の廃車政策により、中長期での新車販売増加が見込まれる一方、廃車政策に伴うELVの発生増加も予想され、その回収・環境に配慮した適正処理への対応が課題になっていると云う。
豊田通商グループは、この課題解決に貢献するため、インドの自動車メーカーとして実績を持つマルチ・スズキと、MSTIを2019年10月に設立し、稼働に向けて準備を進めてきた。
MSTIでは、最初の拠点となるウッタル・プラデーシュ州のノイダ地区の施設で、ELVをマルチ・スズキ販売店や個人から直接回収し、廃液の抜き取りなどの適正処理、解体を行った処理済みスクラップを販売。処理台数月間2,000台を目指し、今後インド国内での展開を図ると共に、ELVを適正処理することで不法投棄を減らし、土壌汚染・水質汚濁などの環境問題にも対応。インドのカーボンニュートラルおよび循環型経済(サーキュラーエコノミ-)の実現に貢献していくと云う。
中期経営計画で廃棄物を再資源化し生産につなげる「循環型静脈事業」を、4つの重点分野の1つとして位置付け、成長戦略を進める豊田通商グループは、同事業を通じて、循環型静脈事業戦略のさらなる推進と、カーボンニュートラルおよび循環型社会の実現を目指すとしている。
[MSTI概要]
– 会社名:Maruti Suzuki Toyotsu India Private Limited
(マルチ・スズキ・トヨツウ・インディア)
– 所在地:ウッタル・プラデーシュ州のノイダ地区(ニューデリー近郊)
– 設立:2019年10月
– 操業開始:2021年11月
– 代表者:Managing Director, Masaru Akaishi(赤石 優)
– 事業内容:使用済み自動車の仕入れ・適正処理・加工、スクラップ販売。
– 従業員:約50名
– URL:https://msti.co.in/#/