NEXT MOBILITY

MENU

2019年12月23日【アフター市場】

トヨタとあいおいニッセイ、つながるクルマで事故対応新サービス

NEXT MOBILITY編集部

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 

トヨタ自動車とMS&ADインシュアランスグループのあいおいニッセイ同和損害保険(以下、あいおいニッセイ同和損保)は、コネクティッドカー(※1)から取得できる走行データを活用し、事故時の運転軌跡や運転挙動といった運転状況を可視化すると共に、AIを活用した事故検知を実現する新しい事故対応サービス「テレマティクス(※2)損害サービスシステム」を共同で開発した。

 

サービス提供を、トヨタとレクサスのコネクティッドカーを対象(※3)に、来年3月から開始、対象車種を順次拡大する。

※1)コネクティッドカー:走行データが取得できる車載通信機(DCM:Data Communication Module)を搭載した車両。

※2)テレマティクス:「テレコミュニケーション」と「インフォマティクス」を組み合わせた造語。カーナビゲーションやGPS等と移動体通信システムを利用して、さまざまな情報やサービスをご提供する仕組み。

※3:トヨタ車は2018年6月以降に販売を開始したコネクティッドカー、レクサス車は2015年9月以降に販売を開始した全車が対象。対象車種の詳細は、あいおいニッセイ同和損保の代理店または、トヨタ販売店に問い合わせのこと。

 

 

背景

 

 

 

 

昨今のクルマのコネクティッド技術等の進化により、コネクティッドカーを通じて車両データを収集・活用し、新たなモビリティサービスの提供が可能となった。

 

両社は、コネクティッドカーから取得できる走行データをもとに、「安全運転を支援する機能」や「安全運転による保険料割引」などのサービスを提供する国内初の運転挙動反映型テレマティクス自動車保険「タフ・つながるクルマの保険(※4)」を、2017年に共同で開発、昨年1月に販売を開始した。

 

「タフ・つながるクルマの保険」の加入者は、今年11月末時点で2万5000件超。同社自動車保険「タフ・クルマの保険」加入者と比較して、事故頻度が約3割抑えられ、事故低減効果が確認されたと云う。

 

 

 

 

今回両社は、上記の事故低減の取り組みに加え、事故の際に迅速かつ適切に事故解決をサポートするため、「テレマティクス損害サービスシステム」を共同で開発した。

 

 

※4)タフ・つながるクルマの保険:トヨタ販売店向けは「トヨタつながるクルマの保険プラン」、レクサス店向けは「G-Link連動自動車保険」の商品名で展開。昨年6月以降に販売を開始したトヨタのコネクティッドカーと2015年9月以降に販売を開始したレクサス全車を対象としている。

 

 

概要

 

従来の事故対応は、電話や書類のやりとりなどを通して得た情報を元に、事故相手との過失・示談交渉を進めている。

 

一方、「テレマティクス損害サービスシステム」では、トヨタのコネクティッドカーから得られる走行データを活用することで、保険会社が正確かつ客観的な事故状況の把握を可能とし、保険金請求手続きの負担を大幅に軽減。

 

また、あいおいニッセイ同和損保の24時間365日事故対応サービス「I’m ZIDAN(※5)」に加え、トヨタのコネクティッドカーとあいおいニッセイ同和損保が24時間365日つながることで、迅速な事故対応を実現すると云う。

 

なお、このサービスは、「タフ・つながるクルマの保険」の加入者向け新サービスとして提供される。

 

※5)I’m ZIDAN:夜間休日でも「責任割合交渉」や「示談交渉」などの専門的な事故対応が可能となるサービス。

 

 

サービス提供のイメージ

 

 

■サービス内容

 

① 運行軌跡のマッピング・運転挙動の可視化

 

コネクティッドカーから取得する情報をもとに事故に至るまでの走行軌跡、アクセル・ブレーキ、シフトポジション、ステアリングの操作状況、指示器、安全装置といった各種装備の作動状況に関する車両データを可視化。事故状況を説明する負担の軽減および迅速な事故解決を実現する。

 

 

 

コネクティッドカーの情報を活用した事故対応事例

 

 

 

② AIを活用した事故検知

 

事故による大きな衝撃を検知した際、「自動通報受信デスク」から契約者に安否確認のため連絡、必要な諸手配を行う「緊急時リアルタイムサポート」にAIを活用する。

 

この機能は、あいおいニッセイ同和損保がテレマティクス端末搭載車両の事故データと、衝突実験により取得した衝撃データを機械学習することにより構築したアルゴリズムを活用。これにより事故の発生・事故地点を適切に認知し、迅速な事故受付を実現する。

 

 

AIを活用した事故検知

 

CLOSE

坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。