東京海上日動火災保険(以下、東京海上)は10月17日、個人向けドライブレコーダー付き自動車保険の契約者によるエコドライブ(CO2発生を抑えた運転)を通じてCO2排出量を削減するプロジェクトを〝J-クレジット制度〟(CO2減量や吸収量をクレジットとして国が認証する制度)に申請し、承認されたことを発表した。
このプロジェクトでは、同社と共にこの制度に参加することに同意した保険契約者のエコドライブによるCO2排出量削減効果を積算・集約してカーボンクレジット(以下、クレジット)を一括申請し、クレジットの売却によって得られた対価を電子クーポンとして還元。同社は、J-クレジット制度を活用し、保険契約者と共にエコドライブを促がすことで、カーボンニュートラルの実現・脱炭素社会への移行を目指すとしている。
1.背景
東京海上では、自動車保険に所定の特約を付帯した個人の契約者に、通信機能付きのオリジナルドライブレコーダーを貸与して様々なサービスを提供しているが、その一つである、運転中の車両の危険な挙動を検知して音声等で注意喚起を行う「事故防止支援サービス」では、急ブレーキ等の急操作の発生頻度が減少し、安全運転につながると共に、エコドライブが促進され、燃費が改善できることを確認した。
これを受けて同社は、このサービスによるCO2排出量削減効果をクレジット化するプロジェクトを、J-クレジット制度事務局に申請したところ、8月22日の認証委員会で承認・登録された。
なお、エコドライブ支援システムを活用したCO2排出量の削減によるJ-クレジットの登録は、国内初であると云う。
2.プロジェクトの概要
同制度への参加に同意した事故防止支援サービス利用者の運転挙動を、ドライブレコーダーで検出。エコドライブによるCO2排出量削減効果を元に、東京海上がクレジットを一括申請する。
その後、クレジットを売却し得られた対価を、原則コンビニ等で利用可能な最大200円分の電子クーポンとして、同社が2023年10月より提供している専用スマートフォンアプリメニューの「エコドライブ支援サービス」を介して還元する。
<承認されたプロジェクトの概要>
– プロジェクトの名称:エコドライブ支援機能を有するドライブレコーダーの導入及び利用による温室効果ガス排出量削減プロジェクト
– プロジェクト番号:JCS-PJP00293
– 概要:ドライブレコーダーの安全運転支援機能を利用して急加速や急ブレーキを減少させることで燃費を改善し、運転中の CO2 排出量を削減する。
3. 今後について
なお、エコドライブを通じて得たクレジットは、2025年以降にJ-クレジット制度事務局に申請予定であるが、東京海上では今年12月より、クレジットの想定取得量を元にした還元を先行して開始する。
東京海上は、これからも、保険・ソリューション事業を通じてカーボンニュートラルの実現・脱炭素社会への移行に一層貢献していくとしている。