東京海上日動火災保険は9月15日、EVトラックを開発・販売する自動車メーカーやEVトラックを保有する運送事業者に対し、国内で初めて「電欠リスク等に起因する代替輸送費用を補償する保険」の提供を開始したと発表した。( 坂上 賢治 )
ちなみに東京海上日動が、電欠リスク等に起因する補償保険の提供を開始した理由には、近年、二酸化炭素排出量の実質ゼロを目指すカーボンニュートラルの世界的潮流や社会的要求の高まりから脱炭素経営へのシフトが求められている事。なかでも国内で二酸化炭素排出量が、高いと見られる物流業界( 運輸部門 )で脱炭素の取組みを活発化している事にある。
今後、自動車メーカーによるEVトラックの開発・拡販や国内運送事業者のEVトラック導入の加速が見込まれる事から、輸送事業を側面から支える事によるニーズ掘り起こしに着目した。
実際、EVトラックの導入を検討する運送事業者は「電欠」等の車両トラブルへの対応・各種費用負担が、車両の懸念材料となっているケースもある。
そもそも車両の電欠時に於いても荷主との契約上、荷物を目的地まで届ける必要がある一方で、届ける為の代替輸送費用については、これまで電欠は対象外となっており、EVトラック導入課題の一つとなっているからだ。
東京海上日動火災保険では、「当社は物流業界における脱炭素の取り組みを後押しすべく、EVトラックを販売する自動車メーカーや EVトラックを保有する運送事業者に対し、電欠リスク等に起因する代替輸送費用を補償する保険の提供を開始する事としました」と話している。
なお電欠による車両走行不能時に代替輸送費用を補償する保険は国内初で、その概要は以下の通り。
– 事業用(緑ナンバー)車両を対象として、下記費用・リスクを補償する。
保証は、電欠等による車両走行不能時に荷物を目的地まで輸送する代替輸送費用
加えて車両の急制動を起因とした貨物損害リスク
今後の方向性について東京海上日動火災保険は、「当社は、EVトラックを開発・販売する自動車メーカーやEVトラックを保有する運送事業者に対して本保険商品の提供を通して、脱炭素社会への移行(GX)に向けた取組みを支援してまいります。
また、今後もあらゆる産業や地域のカーボンニュートラル実現やGXに向けた取組を支援することで、お客様に寄り添い社会課題解決に貢献し、当該領域でお客様になくてはならない存在になることを目指して参ります」と結んでいる。