JAFは、警察庁と合同で実施した「シートベルト着用状況全国調査2018」の調査結果を、12月19日に公表。結果をもとに、インフォグラフィック「シートベルト着用有無が明暗を分ける」を公開した。
帰省等でクルマを使う機会が増えて、交通事故多発が懸念される年末・年始を前に、シートベルト着用への注意を呼び掛けている。
後部座席でシートベルト、約3人に2人が「着用していない」
JAFは警察庁と共に、2002年から「シートベルト着用状況全国調査」を実施している。
2008年に自動車後部座席(後席)のシートベルト着用の義務化から10年が経過した今年の調査結果で、一般道路での着用率は、運転席で98.8%、助手席95.9%と高い結果になったのに対し、後席では38.0%。約3人に2人にあたる62.0%が、後席ではシートベルトを「着用していない」との結果となった。
後席のシートベルト着用率は、2016年の36.0%、2017年の36.4%から増加しているものの、今なお低い着用率であることが明らかとなった。
高速道路での着用率は7年ぶりに減少
高速道路でのシートベルト着用率に関しては、運転席は99.6%、助手席は98.5%とそれぞれかなり高い着用率となるも、後席は74.2%と前の座席に比べて低い着用率となった。
また、前年比で過去最高だった2017年の74.4%から0.2ポイント減少し、2011年以降では初めての減少となった。
非着用が招く3つの危険
非着用によるリスクは、①本人が致命傷を負う、②同乗者に致命傷を負わせる(衝突の勢いで車内の同乗者にぶつかる)、③車外放出(自動車乗車中の者が車内から車外へ放出される)などが挙げられる。
後席乗車員の車外放出は、車が横転などでサイドドアの窓から投げ出されてしまうケースもある。JAFは、自他含めた安全確保のためにも全席でのシートベルト着用の必要性を訴えている。
後席シートベルト着用を見直すきっかけに
JAFではこうした調査結果を踏まえて、情報データを視覚的に表現し、直観的に分かりやすく図式化したインフォグラフィックを利用し、ホームページ等で公開。より多くの人の目に触れ、後席シートベルト着用について改めて見直すきっかけとなり、全席着用の意識が向上すればとしている。
他にも、JAFでは、様々な交通安全啓発コンテンツをホームページで公開。また、時速5kmの衝突体験ができる「シートベルトコンビンサー」を活用したイベント等を全国各地で開催している。
シートベルトの警報、全席義務化へ
国土交通省は、シートベルトをせずに走行すると警報音が鳴る装置「シートベルトリマインダー」の設置を、2020年9月1日以降に発売されるすべての新型乗用車に義務付けることを明らかにしている。
決定では、従来の「シートベルトリマインダー」による警報の対象(※)を、これまでの運転者席から後席を含むすべての座席に拡大するもので、後席のシートベルト着用率の大幅な向上と交通事故抑制効果が期待されている。
JAFではしかし、制度の前進もさることながら、ひとりひとりの危機意識が重要であるとし、ドライバーと同乗者が相互に、シートベルトの着用を確認し合うよう呼び掛けている。
■(JAF)非着用の危険がひとめで分かるインフォグラフィック:http://www.jaf.or.jp/eco-safety/safety/rearseat/infographic/
■(JAF)2018年 JAF・警察庁 シートベルト着用状況全国調査最新結果:http://www.jaf.or.jp/eco-safety/safety/data/driver2018.htm
■(国土交通省)シートベルトリマインダーの警報対象座席拡大について(H29.6.22):http://www.mlit.go.jp/common/001189694.pdf
■(JAF)全国の交通安全イベント開催情報:http://jafevent.jp/event/safety/