NEXT MOBILITY

MENU

2024年3月22日【アフター市場】

テラチャージ、豊川市と急速充電設備への入れ替えで協定

坂上 賢治

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

竹本幸夫 豊川市長(右)と、テラチャージ自治体グループ営業責任者の本田泰寛氏(左)

 

EV充電インフラ事業を展開するTerra Charge(テラチャージ)は3月22日、愛知県の豊川市と「電気自動車充電設備の整備の推進に関する連携協定」を締結した。

 

予てよりテラチャージは、全国の自治体との連携協定を背景にEV充電インフラの整備を進めており、豊川市との協定は全国で44番目、愛知県内では大府市、新城市、岩倉市、一宮市に続き5番目となる。

 

豊川市役所庁舎

 

対して豊川市は、愛知県の南東部に位置。名古屋市から約60Km、豊橋市から約7Kmの距離にあり、豊川IC、音羽蒲郡ICの2つのICが位置する東名高速道路、国道1号線、新幹線、JRや名古屋鉄道の主要幹線が通過する交通の要衝にあたる地域。

 

 

市内には、日本三大稲荷の一つとされる豊川稲荷をはじめ、由緒ある神社仏閣が数多くあり、多くの優良企業が操業する工業や日本一の出荷量を誇るバラなどの施設園芸を中心に農業も盛んで産業がバランスよく発展する地域でもある。

 

そうした豊川市に先の3月19日、テラチャージ自治体グループ営業責任者の本田 泰寛氏が竹本幸夫市長を表敬訪問。EV充電スタンドの閉鎖・休業の急増が課題になっている中、EVドライバーが今後も安心して充電器の利用を継続できるように新たな急速充電設備への入れ替えの支援を行うことで合意した。

 

目下、市役所駐車場に既設されている急速充電器は2024年3月29日に利用終了となる

 

表敬訪問の実施概要
日時:2024年3月19日(火)16:00~16:30
場所:豊川市役所
出席者:<豊川市>竹本 幸夫市長、<テラチャージ>自治体グループ営業責任者の本田 泰寛氏
表敬訪問では、豊川市役所庁舎の急速充電器の入れ替えを行うと同時に、他の公共施設にもEV充電器の設置を進めるべく、どのような施設に設置していくことがよいかなど今後の市内のEV充電インフラ拡充に向けて両者で検討した。

 

協定の詳細
協定名:電気自動車充電設備の整備の推進に関する連携協定
協定内容
(1)EV充電設備の設置及び充電サービスの提供に関すること。
(2)市民、事業者へのEV充電設備の設置に向けた周知・広報に関すること。
(3)EVの利用促進に向けた普及啓発に関すること。
(4)災害時のEV充電設備の提供に関すること。
(5)その他、カーボンニュートラルの実現に向けた連携に関すること。

 

導入予定施設
2024年秋頃に、市役所駐車場(愛知県豊川市諏訪1丁目1番地)に50kW出力の急速充電器を入れ替え設置予定。

 

上記の支援締結に至った背景は以下の通り

 

1:EV充電インフラの整備が全国で求められている
2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、EV充電インフラの整備が急加速している。経済産業省は、EV充電器の設置目標を2030年までに30万口(現在3万基)とするなど充電環境の整備が全国で求められている。

 

一方で、テラチャージによると2010年代半ばに国が補助して設置された公共のEV充電器が更新期に入り、EV充電スポットの閉鎖・休業の数が増加中だという。

 

2:豊川市は、2013年から市役所駐車場に急速充電器を設置し市民へ充電インフラを提供
豊川市は、愛知県の南東部に位置する人口184,191名(2024年3月1日現在)。そんな豊川市では、2050年のカーボンニュートラルの実現に向け、太陽光発電整備や電気自動車等充給電設備に対する補助事業など、様々な施策に取り組んできた。

 

また豊川市は地球温暖化対策の一環として、走行中に二酸化炭素を排出しない電気自動車の普及促進を目的に2013年3月から急速充電器を市役所駐車場に設置し、一般利用を解放している。

 

その市役所の急速充電器は、EVドライバーに頻繁に利用され、充電待ちも発生するほどニーズが高まっている。しかし耐用年数の経過や部品供給の終了により修理が不可能となったため、2024年3月29日に利用を終了とすることとなり、急速充電器のへ入れ替えが急務となった。

 

3:テラチャージは、自治体に負担のないEV充電サービスを提供
対してテラチャージは、初期費用/維持・管理費用無料によるEV充電インフラの提供を実現し、日本全国にEV充電設備の設置を進めている。

 

同社によると自社の充電器の魅力は日本製で部品欠品リスクが少ないこと、課金決済と管理の機能があること、24時間365日対応のコールセンターがあることなどがあるとしている。

 

そこで今回は、自治体に負担なく設置・運用できることを確認。豊川市の既存施設をテラチャージの急速充電器へ入れ替えることが決定したと謳っている。

CLOSE

坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。