写真は利用イメージ、実際は病棟内で運用される
帝人は6月4日、自社が展開する「WHILL( ウィル )自動運転サービス」を島根大学医学部附属病院( 所在地:島根県出雲市 )の整形外科病棟へ提供した。
整形外科病棟からリハビリテーション室( リハビリ室 )間の患者による往復移動で同サービスを用いることで、安心快適な移動環境を確保すると同時に、限りある医療人材の負担軽減と業務効率化に貢献する。なお、中・四国地方の医療機関で WHILL自動運転サービスが導入されることは初となる。
昨今、日本の高齢化率が29.1%と年々上昇( 総務省統計局:統計からみた我が国の高齢者 )する中、医療機関では限られた人的資源の中で質の高い医療体制を維持することが必要とされている。労働力不足は特に地域の医療機関で問題となっている他、2024年4月からは医療従事者の働き方が見直される法律が改正され、人材の最適活用が一層求められている。
しかし現状は、医療機関内で患者さんが車椅子や歩行で移動する場合、医療従事者が付き添うことが多く、時間や労力の面で医療従事者に負荷が生じ、人的資源を診療に集中しづらいとの課題があった。
島根大学病院ではこうした課題解決に向け、医療DX推進による業務効率化を推し進めており、その一環として整形外科病棟とリハビリ室で、安全性を確保しながら患者の往復移動に伴う医療従事者の業務効率化が実現できるとして、WHILL自動運転サービスが採用されるに至った。
導入に先立つトライアルの結果( 2023年11月13〜15日に実施 )では、医療従事者による患者さんの付き添い業務について1日60分程度の削減効果があると確認され、また患者は医療従事者の業務状況に左右されず病棟からリハビリ室へスケジュール通りに移動できる。
リハビリ業務を担うスタッフも、時間に追われることなく業務に集中することができるようになる。これらにより、患者の移動時の負荷軽減や転倒のリスクを回避に繫がること。看護師など医療従事者の業務を効率化できることから、結果として医師の働き方改革の支援に繫がることになるという。
なお帝人はWHILLと2023年4月よりと連携し、医療機関に対してWHILL自動運転サービスの提案を進めており、同件は帝人と島根大学病院間の契約締結を通じ実現したもの。今後も島根大学病院、帝人とともにWHILL自動運転サービスの普及を通じ、医療業界に於ける更なるサービス向上や医療従事者の働き方改革の推進を目指しててく構えだ。
WHILL自動運転サービスの概要は以下の通り
運用開始日:2024年6月4日(火)
導入台数:1台
導入エリア:整形外科病棟
走行ルート:
整形外科病棟のWHILLステーション(乗り場)からリハ室間の往復(約150m)
サービス内容:
WHILLステーションから特定の場所までを自動運転にて案内。
降車後は、無人運転により元の場所まで返却。
対象:
整形外科病棟に入院する患者