チャンダーエレクトロニクス社が固定充電ステーションの課題を解決すると謳う「E-HEROモバイル充電ロボット」
台湾・台北のChander Electronics Corp.(CEC/チャンダー・エレクトロニクス社)は9月12日、台湾初の電気自動車(EV)向け移動式充電ロボット「E-HERO」を利用した充電ソリューションを発表した。( 坂上 賢治 )
このE-HEROは、駐車場の充電区画に据え置きする旧来の充電テーションとは異なり、対象の駐車場などに備え置いて、自身のEVへの充電を希望する駐車場利用者に対して、都度毎に移動式充電ロボットが赴いて充電サービスを提供するというもの。
利用にあたっては、駐車場の利用者がスマートフォンの専用アプリを操作してE-HEROロボットを呼び出すと、自走して顧客の車両に急行する仕組み。ちなみにE-HEROは、いわゆる自走式充電ステーションであるだけではなく、直流 (DC) 急速充電機能を搭載していることから、1台のEVを約30分で0%から80%まで充電できるという。
同社によると、この充電サービスの提供速度は、従来の据え置き型の充電ステーションに比べても約12倍の速さであるとしており、結果、充電時間が大幅に短縮されるだけでなく、駐車場自体の利用が促進化され、駐車場施設自体の収益性向上に繫がるとしている。
そもそも充電器自体が自走式の充電ロボット形式であることから、わざわざ充電器の設置工事を行うなど、駐車場施設への大規模なインフラストラクチャ変更が不要となるため、配線作業を筆頭に充電設備に係る導入の手間が簡素化するという。
またE-HERO自体が双方向充電機能を持っているので、駐車場内で顧客からの充電ニーズがピークにある時間帯には集中して電力を供給。一方で、需要の閑散時間帯に自己充電すれば良いという仕組みだ。従って送電網への負担が軽減されるだけでなく、地域の非常用電源としても役立つとしている。
この新たな充電ソリューションについてチャンダー・エレクトロニクス社のJung Rong Tu会長は、「移動式充電ロボットのE-HEROは、固定式充電設備が不足する台湾のEV市場で、その不備を補うことができます。また今後、EV市場が拡大するにつれて、環境に優しく便利な充電体験が地域を越えて普及していくことでしょう」と語っている。