住友商事は、1月4日、仏ミシュランとの間で、米国、メキシコ、カナダ(北米地域)における交換用タイヤ卸売および小売事業において、戦略的パートナーシップを組むことに合意したことを発表した。
米州住友商事の子会社で、タイヤ卸売および小売事業を行うTBCに、北米ミシュランの子会社でタイヤ卸売事業を行うTCi(Tire Center LLC)を統合したうえで、北米ミシュランと米州住友商事がTBCの株式を50パーセントずつ持ち合い、TBCを共同運営する。
TBCは交換用タイヤの卸売販売および自動車修理・メンテナンスを行う会社で、2005年に住友商事が子会社化。
米国内に59カ所の倉庫ネットワークを持つ卸売事業と、直営とフランチャイズで合計2,400以上の店舗ネットワークを有する小売事業から構成され、米国の交換用タイヤ市場の約10パーセントのシェアを占めていると云う。
またTBCはメキシコにおいて最大規模の倉庫ネットワークを有する卸売事業を展開している。
一方、TCiは米国内の50州に85カ所の倉庫ネットワークを持ち、交換用タイヤの小口配送ビジネスを手掛ける会社で、2000年に北米ミシュランが子会社化した。
この統合により、TBCの卸売事業は米国で第二位の事業規模となり、交換用タイヤの小口配送ニーズに対し、より高い物流機能を提供する事が可能となると云う。
また、小売事業で成長分野として位置付けているオンライン販売や法人車両メンテナンスサービスについても、TBCの持つ物流や小売拠点ネットワークに、ミシュランのブランドバリューや経験、ノウハウを掛け合わせることで、一層のサービス向上と事業拡大が可能になると考えている。
統合に伴うTBCの資本再編により、米州住友商事のTBCに対する出資比率は100パーセントから50パーセントに下がり、TBCは米州住友商事の連結子会社から持分法適用会社となる予定だ。
この一連の交渉の中で、TBCを1,520百万米ドル、TCiを160百万米ドルと評価したが、折半出資会社とするために米州住友商事は、北米ミシュランより約630百万米ドル(約700億円)の支払いを受ける予定だと云う。
住友商事は、今後ミシュランとのパートナーシップのもと、TBCの既存事業の拡大と周辺事業の取り込みを進め、北米地域における交換用タイヤ流通市場の発展に貢献していきたいとしている。
[ミシュラン概要]
会社名:Compagnie Générale des Établissements Michelin
本社所在地:フランス(Clermont-Ferrand)
主な事業内容:タイヤ製造、販売
設立年:1889年
[TBC概要]
会社名:TBC Corporation
本社所在地:米国フロリダ州
主な事業内容:交換用タイヤの卸売/小売事業
(北米における独立系最大手、卸売事業は北米第五位)
設立年:1956年
従業員数:10,261人
[TCi概要]
会社名:Tire Center LLC
本社所在地:米国サウスカロライナ州
主な事業内容:交換用タイヤの卸売事業(北米第四位)
設立年:1985年