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2023年8月9日【アフター市場】

ステランティス、北米で新たな補修部品ブランドの立ち上げ

坂上 賢治

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ステランティスは8月8日(米国時)、北米の自動車用交換部品市場と同関連メンテナンス事業をテコ入れするべく、高品位かつ求め易いOE(車両生産ライン装着部品/Original Equipmentの略)準規のプライベートブランド〝bproauto®〟の投入を当該地域に於いて宣言した。( 坂上 賢治 )

 

この〝bproauto〟は、製品購入時の販売競争力に重きを置いたステランティス車両向けの補修・交換パーツの製品ラインを指すもの。

 

同社は、これまでの欧州・中東・アフリカ・南米などで積み上げてきた他地域での実績を糧に、今後は北米で車両電動化への移行を織り込んだ中で、プライベートブランド〝bproauto〟ならではの柔軟な立ち位置を活かし、アフターサービス事業の収益拡大を図っていく構え。

 

なお投入する製品ラインナップは、ステランティス傘下の対象モデルを広くカバー。取り扱い製品は全て最長2年間・走行距離無制限の保証が付く。例えばICE車用バッテリーには2年間の無料交換保証が付与されており、ブレーキパッドにも一定条件を踏まえつつも永久保証が付くという。

 

こうした取り組みについて、北米地域に於ける〝Mopar〟サービスの取り扱い上の采配に加え、今回、新たに〝bproauto〟も統括管理する事になったステランティスグループのマイク・コーヴァル氏は、「この新たな補修交換部品のプライベートブランドは、ステランティス傘下の車両にとって、第二の純正部品ブランドとなるものです。

 

 

一方で〝Mopar〟は、〝MOtor〟と〝PARTs〟という言葉を単純に組み合わせた造語で、優れたサービスとカスタマーケアを提供するものです。

 

そんな〝Mopar〟は、1937年に当社製の不凍液製品シリーズの名称として誕生。以来、同ブランド名は、今やステランティスとなった当社のアフターメンテナンスサービスを示す代名詞として、車両のケアとパフォーマンスの向上をコンセプトに85年以上に亘って進化。

 

かつてのマッスルカー全盛の時代(当時はレースシーンに於けるハンドリング性能と絶対速度を向上させるパフォーマンスパーツで、その名を刻んだ)から現在に至るまで、歩み続けたその足跡は、お客様の想いを販社の手厚いサポートでお支えするという関係性を温める上で、とても重要な役割を果たしてきました。

 

これに対して新ブランドの〝bproauto〟は、これまでの純正装備品+アクセサリーブランドとしての〝Mopar〟を補完します。

 

 

具体的には、自動車のメンテナンス事業に取り組む拠点を手厚くサポートし、30超の部品カテゴリを対象に個々車種別の製品ラインを追加するなど〝bproauto〟では、より細やかなサポートを心掛けていく所存です。加えて全米のディーラーネットワークに対しても今後、徐々に製品ラインナップの浸透を図っていく構えです。

 

結果〝Mopar〟が、クライスラー、ジープ、ダッジ、ラムなどを対象としたプレミアムなサービスブランドであり続ける一方で、〝bproauto〟は新型車のみならず、中古車やシェアリング車両、法人向け車両なども含めた広い領域で、お求め易く高品質な機能部品ブランドとしての役割を果たして参ります。

 

これに伴い、全米のステランティス傘下にあるメンテナンス拠点〝Mopar〟 と〝bproauto〟を組み合わせる事を介して、多様なニーズをお持ちの全てのお客様と、全ての車両ブランドに向けて、高品位なワンストップソリューションを提供出来るようになるでしょう」と語った。

 

なお現時点で入手可能な〝bproauto〟ブランドの製品には、エアフィルター、バッテリー、ブレーキパッド、ブレーキローター、ハブベアリング、オイルとオイルフィルター、タイヤ空気圧監視システムなどが含まれており、今後はABSセンサー、A/Cコンプレッサー、点火コイル、潤滑油、O2センサーなど当該の製品ラインを順次拡張。いずれは独立系アフターマーケットでの売上拡大も視野に据えていくという。

 

先のマイク・コーヴァル氏は、「これら包括的な製品ラインナップは、アフターマーケット業界からの多様なニーズに応えたいとする〝bproauto〟の姿勢を示すものです。それは北米の自動車アフターマーケットに対して、顧客体験価値を更に向上させたいと願う我々の気持ちの表れでもあります。

 

この新たなプライベートラベルライン〝bproauto〟を介して我々は、これまで以上の製品価値並びにサービス価値を北米地域のお客様へご提供することで、これまで以上のきめ細かなサービスソリューションを、更にこれまで以上に、確実にご提供する事を目指しています。

 

それにより我々は、自動車産業界に於けるイノベーションの進化、卓越したサービス品質を。引いては、より高い顧客満足度達成を実現致して参ります」と結んでいる。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。