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2024年4月12日【アフター市場】

損保ジャパン、空飛ぶクルマ事業者専用賠償責任保険を販売

坂上 賢治

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損害保険ジャパンは4月12日、空飛ぶクルマ( 世界的には、eVTOL/electric Vertical Take-off and Landing:垂直離発着機と呼ばれる )産業の成長への貢献を目指して「空飛ぶクルマ事業者専用賠償責任保険」を開発し販売を開始する。

 

空飛ぶクルマは、(1)垂直離発着が可能で滑走路が不要、(2)電動化、(3)将来的な操縦の自動化等が特徴としてあげられる。ヘリコプターに比べて電動化による製造コスト・運用コストの低減が期待でき、今後の世界的普及が期待される。

 

1.開発の背景
「100年に一度のMobility革命」とも言われる空飛ぶクルマの事業化は、広大な「空」を活用することで、地上交通インフラの影響を受けないという特長を活かし、戦後の自動車の普及( モータリゼーション )と同様に全く新しい社会を生み出し、多くの社会課題を解決するポテンシャルを秘めている。

 

損保ジャパンの空飛ぶクルマに係る取組み概要は以下の通り

 

・空の移動革命に向けた官民協議会に参画し、地方自治体とプロジェクトで連携
・有望スタートアップメーカーである株式会社SkyDriveに出資し、包括的な業務提携
・岡山県倉敷市の航空・自動車関連企業などで組織する「MASC( マスク )」が大分市で行った空飛ぶクルマの試験飛行用に機体保険を開発・提供し、国内での空飛ぶクルマの安定した保険制度づくり
・2025年日本国際博覧会( 大阪・関西万博 )に向け丸紅株式会社が実施する実証実験でも協賛・協力会社としてリスクアセスメントを実施

 

しかし一方で、空飛ぶクルマの国内に於ける社会実装と普及には、いまだ多くの課題がある。例えば、事業者が抱えるリスクが、機体の運行リスクだけでなく、機体製造やポート管理に関わる賠償責任等多岐にわたることもその一つとなる。

 

損保ジャパンでは、保険事業とその先にある安心・安全・健康の領域で、顧客に価値ある商品・サービスを創造し、社会に貢献していくことをミッションに掲げ、これまでも保険事業と親和性の高い防災・減災、各種モビリティ分野への参入や社会実装に向けた取組みを続けてきたという。

 

同社では、空飛ぶクルマ事業への参入に挑戦する事業者が抱えるリスクを幅広くサポートすることで事業化を促進し、社会課題を解決し得る新しいモビリティ社会の発展に貢献することは、そのミッション実現に繫がると考え、空飛ぶクルマ事業者の賠償リスクを包括的にカバーする「空飛ぶクルマ事業者専用賠償責任保険」を開発して販売を開始した。

 

商品開発にあたっては、固有の海外の再保険会社との再保険スキームを新たに構築することで、参入事業者を安定的かつ長期的にサポートできる保険制度としている。

 

2.商品の概要
機体、部品、その他関連機器等の製造・加工・整備・販売に関わる製造物責任やバーティポートの管理運営に関わる賠償責任等を包括的に補償する。※機体の運行リスクを補償する保険は、2023年2月に販売し、引受を開始済み。

 

 

3.今後について
損保ジャパンは、「空飛ぶクルマ事業者専用賠償責任保険」の提供を通じて、新しいモビリティ社会の発展に貢献すると共に、今後も多くの企業と連携していくことで、事業化に関連するリスクへの知見を高め、保険と事故防止の両面で高い顧客サービスを実現し、空飛ぶクルマの安心・安全な社会実装を支援していく。 

 

最後に同社は、「〝お客さまの安心・安全・健康に資する最高品質のサービスをご提供し、社会に貢献〟するというグループ経営理念の実現に向け、ブランドスローガン〝Innovation for Wellbeing〟に即した商品の開発を通じ、今後も社会の健全な発展に資する新たな保険・サービスの提供により、サステナブルな社会の実現に貢献していきます」と結んでいる。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。