損害保険ジャパン(以下「損保ジャパン」)、ティアフォー、アイサンテクノロジーは2月4日、東京大学大学院情報理工学系研究科の加藤 真平准教授の研究室とともに、自動運転システムにより自律走行するレベル4以上に対応した 「自動運転システム提供者専用保険」(自動運転システム提供者専用自動車保険特約)を開発したと発表した。
「自動運転システム提供者専用保険」 は、自動運転サービスをサブスクリプション型で導入する際に、自動運転システム提供者によるさまざまなサービスの一つとして提供される。自動運転を導入する事業者は、保険手配の負担から解放されるとともに、万が一事故が発生した場合でも、サービスに組み込まれた保険により、幅広い補償を受けることができる。これにより、安心して自動運転サービスを導入することができるという。
経済産業省と国土交通省が主催する「自動走行ビジネス検討会」では、2022年度を目途に限定エリアにおいてレベル4自動運転サービスを実現し、2025年度までに全国40カ所以上にサービスを広げる目標を掲げている。また、工場等敷地内ではすでに無人自動運転サービスの導入に向けた検討が進められている。
損保ジャパンは、2017年5月から、東京大学とレベル4以上の自動運転技術に対応する保険商品の開発に向けた共同研究を行なってきた。また2019年2月には、ティアフォーおよびアイサンテクノロジーとともに、インシュアテックソリューション 「Level Ⅳ Discovery」の共同開発に向けた業務提携を行い、自動運転の安心・安全な社会実装を支えるソリューションの開発を進めている。これらの取り組みと、ティアフォーの創業者でもある東京大学大学院情報理工学系研究科准教授の加藤真平氏が研究代表者を務める文科省JST CREST事業の研究課題「完全自動運転における危険と異常の予測」の研究成果を活用し、今回、この保険を開発した。
なお、自動運転導入事業者が事業に活用する自動運転車に対して、自動運転システム提供者が保険を付保する契約方式は国内初となる。
まず、自動運転システム 「Autoware」の開発を主導するティアフォーへ提供し、ヤマハ発動機とティアフォーとの合弁会社であるeve autonomyが展開する自動搬送サービス「eve auto」に適用。当面の間、2社による自動運転サービスの実装とともに、レベル4自動運転向けの保険・サービスの検証を行い、その後、多方面への展開を目指すとしている。