損害保険ジャパンは7月28日、同社の代理店委託先で、事故時の入庫紹介先の整備工場でもあるビッグモーターとビーエムホールディングス、ビーエムハナテンの3社(以下、ビッグモーター社)が行った器物損壊や自動車保険金の不正請求を、社会全体に大きな影響を与える事件であると極めて厳粛に受け止め、同社との代理店委託契約の終了と民事上の損害賠償請求を行う準備に着手。今後、保険加入者の保護を最優先に、必要な手続きを進めると発表した。
また、26日に設置した社外調査委員会により、ビッグモーター社の不正請求に関して、過去の出向者の関与の有無や昨年の入庫紹介再開時の経緯等について全容を解明して公表し、社員の不正行為が判明した場合には厳正に対処。
さらに、「不正請求がなければ、修理の際に自動車保険を使用しなかった」と考える契約者に対しては、ノンフリート適用等級訂正等の手続きの案内や、「自分の修理代金が不正に高く請求されていなかったか確認したい」という問い合わせへの対応を行う専門部署を8月1日に開設する。
過去のビッグモーター社への出向者数の推移と業務内容
損保ジャパンでは、2011年度以降、累計37名をビッグモーター社へ出向派遣してきた(年度別の在籍出向者数は最大16名)が、昨年度末に終了(派遣者は今年度以降は無し)。
<年度別の出向者在籍数推移>
(注)上記の合計値は、複数年度にわたり出向している社員がいるため、累計出向者数である37名とは一致しない。
<出向者の業務内容>
・営業部門:店舗訪問、自動車保険の販売促進と募集品質の向上に向けた指導・支援。
・鈑金・塗装部門:店舗訪問、修理品質およびお客さま対応品質の向上に向けた支援。
・品質コンプライアンス部(昨年7月新設):再発防止に向けたコンプライアンス研修。鈑金・塗装部門への牽制およびモニタリング業務。苦情の分析とBP本部・保険会社連携。