本田技研工業は4月9日、「一般社団法人SD BlueEarth・青い地球を育む会」のキャプテンを務める〝さかなクン( 宮澤正之氏 )〟を、砂浜の清掃活動「Hondaビーチクリーン活動」の応援団長として迎え、環境問題を次世代と共に学び、“環境を大切にする心”を育むための活動を強化する。
さかなクンの環境団体:一般社団法人SD BlueEarth・青い地球を育む会とは
国⽴⼤学法⼈東京海洋⼤学名誉博⼠・客員教授であるさかなクンがキャプテンを務める環境団体。さかなクンをモチーフにした環境推進キャラクター「すすめ!さかなクン」を通じて、自治体や企業と取り組む「プラギョミ0(ゼロ)プロジェクト」をはじめとし、海洋環境、生物、気候変動、食育など SDGsに関するセミナー、ワークショップを実施している。
<SDGs推進キャラクターのすすめ!さかなクン>
SDGs推進キャラクター「すすめ!さかなクン」の周りには、「ギョミ箱」に捨てられずに「野良ギョミ化」した愉快でちょっと悲しい「プラギョミさん」が登場し、環境問題をわかりやすく伝えるためにさまざまなストーリーを展開する情報コンテンツのキャラクターとなっている。
一般社団法人SD BlueEarth・青い地球を育む会 公式サイト:https://sdbe.or.jp/
一方で本田技研工業は、〝素足で歩ける砂浜を次世代へ〟というスローガンを掲げ、2006年から「Hondaビーチクリーン活動」に取り組んでいる。このビーチクリーン活動では、まず砂浜で目につく大きなゴミを手拾いした後に、ゴミと砂を分類する独自開発の「Hondaビーチクリーナー」を使用してゴミを回収。また子どもを対象にした環境授業も展開している。
そこで同社は、さかなクンを〝Hondaビーチクリーン活動の応援団長〟として、大分県大分市で開催するビーチクリーン活動を皮切りに幾つかの活動に参加し、ビーチクリーナーを活用した清掃活動を行う。
また併せて海洋ごみ問題や海の大切さなどを啓発するための環境授業を行う。この際、さかなクンならではの魚のイラストを用いた環境授業を通じて、次世代に対し環境問題について考える切っ掛けを提供する。
また同社は、ビーチクリーン活動を支えるべく、2人乗りの小型電動モビリティである「Honda Mobile Power Pack 4W-Vehicle Concept(モバイルパワーパックフォーダブルビークルコンセプト)」を、ビーチクリーナーの牽引車として試験導入。環境負荷の低減に関する検証を行う。
更に砂と細かいゴミをふるい分けるオリジナルツール「シャカシャカ」(さかなクン命名)を新たに導入し、これまでの機材では分別が難しかった細かな海洋プラスチックゴミの回収にも取り組んでいく。なおスケジュールや参加の問い合わせ先についてはHondaビーチクリーン活動公式サイトを参照されたい。
Hondaビーチクリーン活動公式サイト:
https://global.honda/jp/philanthropy/beach/sakanakun
Honda Mobile Power Pack 4W-Vehicle Conceptを試験導入
今回、Hondaビーチクリーナーの牽引車として、従来使用しているATV(all-terrain vehicle、全地形走行車)に加えて、新たに2人乗りの小型電動モビリティHonda Mobile Power Pack 4W-Vehicle Conceptも併せて試験導入する。
Honda Mobile Power Pack 4W-Vehicle Conceptは、2018年1月に米国で開催されたCES 2018で発表した着脱式可搬バッテリー「Honda Mobile Power Pack(モバイルパワーパック)」を搭載した小型電動モビリティ。今回、このモデルを実際のHondaビーチクリーン活動で使用することで、様々な砂地環境における走行性や将来の活用可能性を検証する。
砂と細かいゴミをふるい分けるツール「シャカシャカ」の開発
Hondaが独自開発した、砂と細かいゴミを効率よくふるい分けるツール「シャカシャカ」を今回新たに導入し、これまで分別が難しかった細かいゴミの回収に取り組む。シャカシャカは、砂とゴミを一緒にすくって振るだけで誰でも簡単に分別できることをコンセプトに開発しており、今後、Hondaビーチクリーン活動の中でフィードバックを受けながら進化させていく。
その他のHondaのビーチクリーン活動については以下の通り
活動を支える技術:Hondaビーチクリーナー群
Hondaビーチクリーナーは、Hondaが独自開発し、特許を取得した清掃用機材を、砂浜での走行に適したATVで牽引して清掃を行う、同社オリジナルのシステムで。1999年、HondaのATV技術者が市場調査の際に様々なゴミが散乱している砂浜を見て、“技術で海岸をきれいにしたい”と考えたのを切っ掛けに開発された。
・サンドレーキ:ゴミをかき集める熊手の役目
底部の多数のピンが砂を掘り起こし、中に埋もれたゴミを回収。重量は約30kg、ピンの長さは砂の中に生息する生き物への影響が少ない10cm。
・サンドスクリーン(通称「バタバタ」):砂とゴミを分けるふるいの役目
前部の鉄のバーが小さなゴミを砂とともに跳ね上げ、スクリーン(網)をバタバタと振動させて砂をふるい落とし、ゴミだけを回収する仕組み。重量は約70kg。砂浜への負荷を小さくするためシンプルで軽量な構造とした。
・ゴミ回収ステーション:ゴミを回収・分別
トレーラーの荷台にレール状のパイプを組んでゴミを回収。サンドレーキやサンドスクリーンで集めたゴミをここで回収し、スタッフの手で丁寧に分別。
・回転式スクリーン(通称「ぐるぐる」):砂とゴミを分けるふるいの役目
回転式ドラムの中にゴミ混じりの砂をスコップで投入し、ぐるぐる回すことで砂をふるい落としてゴミを回収。
サンドレーキやサンドスクリーンが使えない、砂が湿った波打ち際や海岸の隅でも使用可能。
同社では、このように、生態系に影響を及ぼすといわれる海洋プラスチックゴミの削減に向けて、さまざまな技術・知見を生かして活動に取り組んでいくと述べている。
Hondaビーチクリーン活動のその他の活動は以下の通り
大分県大分市の田ノ浦ビーチでは、Hondaの特例子会社であるホンダ太陽株式会社と協力し、車いすの使用者にも参加いただける活動を実施しています。同社はこうした活動を通じて、障がいの有無に関係なく、砂浜で移動する喜び、海辺の楽しさを共有し環境を大切にする心を育んでいる。