グローバルインフォメーションは9月27日、同社の市場調査レポートより、ロボタクシーの市場規模が2021年の617台から2030年には144万5,822台へ到達するとの予測を発表した。
同社の市場調査レポート「ロボタクシーの世界市場 (~2030年):用途 (商品・旅客)・自律レベル (L4・L5)・車両区分 (乗用車・シャトル/バン)・サービス (レンタル・ステーションベース)・推進区分 (電気・燃料電池)・コンポーネント・地域別」(MarketsandMarkets)によると、ロボタクシーの市場規模は、2021年の617台からCAGR136.8%で成長し、2030年には144万5,822台に達すると予想されている。
市場が成長している要因は、交通安全や排ガスへの関心の高まり、ライドハイリングサービスの需要増など。自律走行車は、フリート運用者のコストの最適化にも役立つほか、サービスとしてのモビリティという新しいビジネスモデルは、将来的に持続可能な第二の収益源として期待できるとしている。
COVID-19のロボタクシー市場への影響
COVID-19発生当初は、エコシステム全体が混乱していたため、世界中で新車の生産と販売が停止した。そのため自動車メーカーは生産量を調整しなければならず、また、部品の製造が停止し、小規模なTier II、Tier IIIメーカーは資金繰りの問題に直面した。パンデミック発生初期の数ヶ月間の生産停止と需要の低下は、EVメーカーにかつてない影響を与えている。その後、多くの自動車メーカーは、限定生産や必要な措置を講じて車両生産を再開した。
ロボタクシー市場においても、初期段階ではロックダウンやライドシェアリングサービスの需要低下などにより市場の混乱があった。しかし後期には、独自の走行モデルによりロボタクシーの需要が増加した。2021年5月のワシントンポスト紙によると、COVID-19のパンデミックの際、LyftやUberで働く5,000人以上のドライバーが独立した雇用契約を結んでいたため、経済的困窮による災害ローンが約8,000万米ドルに上ったと報告されている。これはパンデミックの影響でライドシェアやライドハイリングの需要が80%減少したため、企業が大量のドライバーの雇用を継続する余裕がなかったことを示す。これにより企業はロボタクシーを自社の車両に組み込むことを重視し始め、これにより、運用コストが大幅に削減され、利益率の向上が見られるようになった。
牽引要因:交通安全と交通管制の必要性
2020年のWaymo社の発表では、全世界では毎年約140万人が交通事故で亡くなっている。またMIT Energy Initiativeが行ったMobility of the Futureの調査によると、2019年にアメリカでは交通事故により約4万人の命が失われている。このような人為的ミスは、運転に関わる人間の活動をテクノロジーが担当すれば減らすことができる。また個人が所有する車両が減り、都市の車の数が減少することも予測でき、最終的には、交通渋滞の緩和や交通管制の効率化も期待できる。