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2021年4月13日【補修部品】

日本ミシュランタイヤ、新社長に須藤元氏

松下次男

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ミシュランタイヤ・ロゴ

タイヤを中心に、サービス&ソリューション分野を強化

 

 日本ミシュランタイヤ(本社・東京都新宿区)は4月1日付で須藤元(49歳)氏が新社長に就任した。これを踏まえ、4月13日新社長就任オンライン報告会を開き、須藤新社長はタイヤを中心にサービス&ソリューション分野を拡充するなど「イノベーションのフロンティアになる」と意気込みを述べた。(佃モビリティ総研・松下 次男)

 

 報告会には、ポール・ペリニオ前社長も参加。ペリニオ氏は社長時代の5年半を含め、18年近く日本に滞在、今回の異動で東アジア・オセアニア地域(中国を除く)のB2C責任者としてタイに赴任する。
 新社長に就任した須藤氏は直需タイヤの領域が長く、昨年7月まではミシュラン中国の直需セールス部門に滞在した。

 

 社長就任当たって感じていることは「私たちを取り巻く環境が大転換期を迎えている」と強調。このため、日本ミシュランタイヤも「変革への取り組みを加速しなければならない」と述べる。
 そこで、まず活動のベースにミシュランの世界観およびグローバルで取り組みビジネス展開を掲げ、サステナブルな未来を描く。

 

ミシュランガイドなどのエクスペリエンス、ハイテク・マテリアル分野を拡大

 

 ミシュランは「People(人)-Planet(地球)-Profit(利益)」という世界観を持つ。これは、人や環境に貢献することで、利益が生まれ、会社を存続させて、さらに社会に貢献していくという考え方だ。須藤新社長はこの世界観を実践するうえで、人の領域では「人への尊重」をミッションに掲げて、ユーザーに喜ばれるような「タイヤ、ソリューション、サービスの実現を目指す」とした。

 

地球の領域では、環境への貢献を掲げ、「2050年までにミシュランタイヤを100%持続可能にすることを宣言」していることを紹介。すでにミシュランタイヤを構成する素材のうち30%はすでに天然素材またはリサイクル素材、持続可能な原材料を使用しているとし、これを約30年で100%まで高めるため、グループが全力で取り組んでいるという。

 

そして「利益」の持続性では、「人、地球」の取り組みを持続可能にするために、企業の利益は欠かせないとし、「従業員がワクワクして利用者に真に求めるものを提供していけば、自ずと企業利益は高まると信じている」と述べた。

 

ビジネス展開では、「ウイズ・タイヤ(タイヤと共に)」、「アラウンド・タイヤ(タイヤ関連で)」「ビヨンド・タイヤ(タイヤを超越して)」をグローバルで進めているとし、ウイズ・タイヤでは「サステナブルで付加価値の高いタイヤ」の考えを打ち出す。

 

日本では「ブランドの認知度を向上」を課題に掲げる

 

 アラウンド・タイヤの領域では、フリートソリューションや循環型ソリューションに力を入れるほか、ミシュランガイドに関連した事業展開拡充を示した。一例として、ガイドに掲載店舗との物流ソリューションなどに取り組んでいるとした。

 

ビヨンド・タイヤの領域では、3Dメタルプリンティングやハイテク素材などの拡充を掲げた。3Dメタルプリンティングでは、複雑な形状のタイヤ用金型を成形しているが、これを広く応用する考えなどを示す。この3Dメタルプリンティングは太田市などで開発を進める。

 

 タイヤ産業を取り巻く環境が大きく転換期を迎えるなか、ミシュランのビジネスもタイヤを中心に、IoT(モノのインターネット)を活用したトラック・バス用タイヤ管理ステムTPMS(タイヤプレッシャーモニタリングシステム)などのサービス&ソリューションを拡充。

 

さらにミシュランガイドを絡めたエクスペリエンス、ハイテク・マテリアル分野などの新たな領域へもチャレンジする。こうした活動はグローバルで「ほぼ変わらない」(ペリニオ氏)としながらも、須藤新社長は日本では「ミシュランガイドは知られていても、現状、タイヤの認知度が低い」と述べ、タイヤブランドの認知度向上を課題に掲げた。

 

須藤元(すどう・げん)社長の略歴
1971年6月生まれ。室蘭工業大卒。1999年3月日本ミシュランタイヤ入社。2002年10月中国ミシュランタイヤ、直需タイヤセールスマネージャー、2008年日本へ帰任、直需タイヤビジネスビジネスアナリスト、2016年中国ミシュランタイヤへ赴任、副総監、2020年日本ミシュランタイヤ、B2C事業部専務執行役員。趣味・ゴルフ。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。