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2020年12月8日【MaaS】

令和2年度ひたち圏域MaaSプロジェクト始動

NEXT MOBILITY編集部

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図1.ひたち圏域MaaSでの実証概要

 

 

ひたち圏域新モビリティサービス推進協議会は、みちのりホールディングス、茨城交通などと、経済産業省製造産業局自動車課が実施する令和2年度「スマートモビリティチャレンジ」の実証地域、および国土交通省総合政策局モビリティサービス推進課が実施する令和2年度日本版MaaS推進・支援事業の両事業に選定され、実証を2020年11月末から開始したと、2020年12月8日発表した。

 

このプロジェクトは2018年から本地域で実施する取組の一環で、地域版MaaSのモデルケースを構築することを目指している。2020年度は「地域のMaaS基盤構築」と「モビリティサービスの進化」をテーマに、これまでよりも広域のひたち圏域(高萩市、日立市、東海村、ひたちなか市)にて実証実験を順次実施する。

 

 

【2020年度の実証概要】

■実施期間

(MaaSアプリ)2020年12月以降、順次サービス開始

(モビリティサービス)

-自動運転バス:2020年11月30日~2021年3月5日

-大沼エリアAIデマンド:2021年1月上旬~2021年3月5日(予定)

-宮田・助川・成沢エリアAIデマンド:2021年1月中旬~3月下旬(予定)

※グリーンスローモビリティ走行実証(2020年11月2日~29日)

■サービス提供エリア

茨城県高萩市、日立市、東海村、ひたちなか市

■対象交通モード

ひたちなか海浜鉄道、茨城交通(当該エリアのバス)、高速バス、自動運転バス、デマンドサービス(大沼エリア、宮田・助川・成沢エリア)

■購入可能サービス

都度乗車券(高速バス含む)、周遊券、企画乗車券(セット券)

■利用アプリ/Web

Hitachi MaaS app:その他対応アプリ/WEBから順次リリース

■利用可能機能

経路検索、チケット購入、チケット発券、クーポン利用等

 

図2.利用可能サービスとエリア

 

 

【ひたち圏域新モビリティサービス推進協議会:加盟自治体・会社】

日立市・ひたちなか市・高萩市・東海村・茨城県・関東運輸局・日立製作所・ひたちなか海浜鉄道・常陽銀行・国立大学法人茨城大学・茨城交通・電鉄タクシー・みちのりホールディングス

 

【ひたち圏域MaaSのモデルアプリについて:ナビタイムジャパンなど提供】

ひたち圏域MaaSでは様々なアプリやWEBから利用できる環境作りを目指して、ひたち圏域MaaSの主要サービスや機能を体験できるモデルアプリを提供。

 

例えば、ナビタイムジャパンが開発・提供する「Hitachi MaaS」アプリでは、デマンドサービスを含む複数の移動手段に対応した経路検索や乗車券購入が可能で、移動をシームレスに体験できる。iOSとAndroid OSのスマートフォンで利用でき、アプリストアで「Hitachi MaaS」と検索するか、以下URLからダウンロードできる。

https://hitachi-city-maas-project.navitime.jp/app/index.html

 

■「Hitachi MaaS」アプリの主要な機能

・経路検索(発着地指定)、地図検索

・サービスの購入 :都度乗車券(高速バス含む)、周遊券、企画乗車券(セット券)

・電子チケットの発券

・クーポン等の発券(これから実装予定)

 

図3.ひたち圏域MaaSのモデルアプリの利用画面例

(デマンドサービスと連携した経路検索画面)

 

■チケットの利用方法について

2020年度はひたち圏域MaaSを多様な主体が提供するアプリやWEBからチケット発券出来るように、TISの協力の下で地域の共通チケット発券基盤を構築。この基盤によって、発券主体が異なってもチケット券面デザイン等に差異が無く、地域の交通事業者側の負荷を増やすことなく、販売チャネルを増やすことが可能になっている。

 

図4.ひたち圏域MaaSで発行するチケット券面デザイン/利用方法

 

 

【新モビリティサービス:AIデマンドサービス(Myride)】

Myrideでは、バスの運行本数が少ないエリアで、小型車両を用いて複数の人が乗り合って移動でき、運行本数が少ない地域の利便性を高める事を目指す。Myrideでは、スマートフォンにDLしたアプリから行先までの手段の検索、予約、購入ができ、他の人が同じ方向に行く場合はAI(人工知能)が最適な組み合わせを自動で計算し、マッチングする。また走行ルートの指示や利用者とのやり取りは、運転手が持つ端末上で指示が出るため、スムーズな運行を実現。本実証ではA Iデマンドサービスの提供はVia Mobility Japan社が提供する技術を活用している。

 

【自動運転バスの走行実証】

ひたちBRTのおさかなセンター~常陸多賀駅間の主要バス停を快速運行する便を、通常ダイアに加えて平日8便、土日祝日6便設定し、中型バスで運行。自動運転バスは全席予約制(当日に空席があれば、飛び乗りは可能)になっており、ナビタイムジャパン提供の「Hitachi MaaS」アプリからのみ予約ができる。

乗車予約サイト:https://autonomous-mobility.jorudan.biz/hitachi/reserve/index.html

 

【MaaS基盤を活用した収益モデルの検討】

ひたち圏域MaaSでは、多様なアプリやWEBサービスでもひたち圏域MaaSを利用できる環境を提供するため、地域の交通事業者が主体的に検索データやチケット発券のためのデータを提供する「地域共通MaaS基盤」を構築。基盤上のデータやAPIを事業者が連携することで、住民や観光客が目的や利用シーンに応じて、多様なアプリやWEBでからひたち圏域MaaSを利用できる。

 

図5.地域共通MaaS基盤を活用したサービスの概要

 

 

【今後のひたち圏域MaaSプロジェクト】

ひたち圏域では地域版MaaSモデルの構築に向け、シームレスな連携だけでなくモビリティサービスを通してDX(Digital Transformation)の推進を目指している。

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。