パイオニアは11月11日、同社が実施する「ASEANにおける高効率物流テレマティクスサービス実証事業」が、ジェトロ(独立行政法人日本貿易振興機構)が公募する「海外サプライチェーン多元化等支援事業(第二回) 類型2:バリューチェーン高度化型」に採択されたと発表した。
同社は、タイおよびメコン地域において、同地域の陸上輸送を高効率化する“物流計画最適化ソリューション”の導入に向けた実証を行う。
今回の支援事業は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、日本サプライチェーンの脆弱性が顕在化したことを受け、特にアジア地域におけるサプライチェーンを強靭化し、日本とASEAN諸国との経済産業協力関係を強化することを目的となる。
パイオニアは、長年にわたり、車載カメラを用いた情報共有サービスや、通信ドライブレコーダーを活用したテレマティクス保険ソリューション、動態管理サービスを提供してきている。また、これらのサービスやソリューションで収集した膨大なデータおよびデータ分析技術を活用し、さまざまな産業の社会課題を解決するソリューションの開発を進めてきた。
今回の実証エリアとなる現在のASEAN地域の物流は、事業状況や効率性等を定量的に評価するためのデータが少ないことが課題とされている。そこでパイオニアが開発する“物流計画最適化ソリューション”を用いて、輸送状況の可視化に加え、走行映像データを軸に多角的なデータ分析を行うことで、配送計画と実績の差分要因を抽出する。また、抽出した差分要因の規模や要因に応じて計画を自動で見直すため、運行管理者やドライバーの業務を効率化することができる。
パイオニアでは、今回の実証事業を通じてタイおよびメコン地域の陸上輸送を定量的に計測・評価するとともに、貨物追跡、定時運行、安全運行など各物流パフォーマンスの向上効果を検証し、同地域のサプライチェーン強化に貢献するソリューションの導入を目指すとしている。