車内ワイファイスポット化し、最新スポットの検索や自動地図更新も実現
パイオニアは1月19日、カロッツェリアの主力カーナビ商品である「楽ナビ」を全面改良し、オンラインに対応した商品として3月から発売すると発表した。発売するのは15機種で、カロッツェリアのカーナビとして初のフローティングモデルもラインアップする。(佃モビリティ総研・松下次男)
東京都内で開いた新商品発表会で髙島直人取締役兼常務執行役員モビリティプロダクトカンパニーCEOは、今回の楽ナビのオンライン化で「カロッツェリアのすべての商品のオンライン化が実現する」と強調し、「私たちはクルマの中をもっと自由で、快適にエンターテイメントを楽しめる世界を作っていく」と述べた。
新型楽ナビは、NTTドコモとNTTコミュニケーションの車内向けインターネット接続サービ「docomo in Car Connect(ドコモ・イン・カー・コネクト)」に対応し、ネットワークスティック(同梱または別売)を接続すれば、NTTドコモのLET通信が定額で制限なく利用できる。
これにより同機が車室内のワイファイスポットとなり、通信量を気にせずにスマートフォンやタブレットなどでオンラインの動画や音楽、ゲームなどが楽しめる。
また、同機とスマートフォンやストリーミングメディアプレイヤーをHDMI接続することにより、映像コンテンツをカーナビ本体や後席モニターなどの大画面に表示し、オンライン動画を楽しむことも可能だ。
さらに新しい道路や変化する街の情報を反映した最新地図を通信を使って更新する「自動地図更新」にも対応する。ネットワークスティック付きモデルだと最大3年間(最大5回)、無償で最新地図に更新できる。
新型楽ナビは操作性も改良。ドライブ中によく使う機能をスムーズ、直感的に操作できるユーザーインターフェース「Do メニュー」を採用する。
これはスマートフォンやパソコンなどで使い慣れたインターネット検索のように、思いついたキーワードを入力するだけで最新スポットの検索が可能になるものだ。ジャンルや場所、住所、電話番号、郵便番号なども同じ検索ウィンドウに入力することで最新情報が検索できる。
これにより、お出かけの際の行き先や立ち寄る機会に多い駐車場、ガソリンスタンド、コンビニエンスストアなどがワンタッチで検索できる。オンライン接続時にガソリンスタンドを検索すれば、ガソリン価格情報も確認できる。
また、HDパネル(1280×720)と高透過率の静電容量方式タッチパネルに高輝度LEDバックライトを搭載し、地図や映像ソースなどが高画質で楽しめる。
パイオニアはクルマのオンライン化を業界に先駆けていち早く提案。2019年のサイバーナビのオンライン化を皮切りに、ディスプレイオーディオ、車載用ワイファイルータ、会話で道案内できる新しいデバイスのNP1と対応する商品ラインナップを広げ、今回の楽ナビでカロッツェリアの主力製品のオンライン化が揃った。
これに対し、髙島取締役は「デジタル化で様々なサービスを楽しむことが定着した今、私たちが業界に先駆けていち早く進めてきたクルマのオンライン化という提案は正しかったと確信している」と述べたうえで、クルマをオンライン化することで、「実現できる世界はどんどん広がっている」と強調。
クルマが外の世界とつながることで「得られる安心感」、様々なサービスと連携した「新しいドライブ体験」、新機能やサービスを追加することにより「持続的な進化」をカロッツェリアは実現すると訴える。
3月から発売する新型楽ナビはネットワークスティック同梱モデルが5機種、スタンダードモデル(ネットワークスティック別売)が10機種。価格はオープン価格で、7万円から19万円前後の実勢価格を見込んでいる。
また、楽ナビ専用連動ドラレコ、楽ナビ専用バックカメラ、ディスプレイオーディオ、それにアップル・カープレイおよびアンドロイド・オートに対応したフローティングタイプの9インチ大画面ディスプレイオーディオも3月発売する。