パナソニックは4月25日、SBIインベストメントと共同で運営するコーポレートベンチャーキャピタルファンド(通称:パナソニックくらしビジョナリーファンド)を通じ、電気自動車充電サービス「WeCharge」を展開するユビ電への出資を決定した。
なおユビ電は、このパナソニックの他、東急不動産ホールディングス( TSVF1投資事業有限責任組合 )、フソウホールディングス( FUSO-SBI Innovation Fund )の各CVCファンドからも資金調達を実施( 合計3.5億円 )。今回の資金調達により、累計調達額は12億6,800万円に達した。ちなみにユビ電は2023年5月までシリーズBの資金調達を継続する予定としている。
日本に於ける普通充電器( 100Vまたは200Vの単相交流電圧をそのまま車両に供給する形式。小型で一般的な戸建住宅・マンション、商業ビル、屋外駐車場等に設置可能 )の設置台数は、2035年には推定で2021年比約3倍の7万7,000基に拡大する見込み。
一方で、海外と比較し日本市場での電気自動車の普及が遅れている一因として、EV充電設備の充実が課題として挙げられる。
ユビ電は先の通り、電気自動車充電サービス「WeCharge」を運営し、専用のEV充電コンセントで使用した電気代を、充電した時間ではなく電力量に応じスマートフォンアプリで精算可能にするサービスを提供している。
またEVユーザーと充電器を設置するオーナーとの間の決済を簡単に行うユーザーフレンドリーなUXを備えており、集合住宅や商業施設など複数のEVオーナーが利用する充電サービス運営に強みがある。
一方でパナソニックは、電気自動車(EV・PHEV)充電設備「ELSEEV」やEV充電用屋外コンセントなどの事業を展開しており、既にユビ電のサービス運営にパナソニック製品が活用されている。
そうしたなかで今後パナソニックは出資を通じ、ユビ電が提供する優れたソフトウェア(システム制御やプラットフォーム運営など)と連携し、国内EV普及を下支えする最適な充電インフラの構築に向け、ハード、ソフトの両面からこれまで導入が難しかったマンションなど集合住宅を含めEV充電設備の拡充を検討していく構えだという。